【結論】フタの内側がデコボコだから、ヨーグルトは玉になって落ちます。
- 正体:内側の面にある無数の細かいデコボコ
- 効果:触れる面積が小さくなり、くっつけない
- 名前:TOYAL LOTUS(トーヤルロータス)
- お手本:蓮(ハス)の葉
- 密封できる理由:フチの部分だけ性質を変えている
- くっつかない仕組みをやさしく解説
- 昔のフタとの決定的な違い
- はじくのに密封できる理由
- この発想が次に向かう先の予想
フタを開けても中身が残らない。
言われてみれば不思議です。
ヨーグルトは水よりねばりがあり、
本来ならよく張り付くはずのもの。
それが落ちるのには理由があります。
2026年7月25日(土)21時54分、
日本テレビ『情熱のしずく』でも
この技術が紹介される予定です。
【予想】「塗る」から「形で解く」へ、発想はさらに広がる
ここからは編集部の予想です。
この技術のいちばんの価値は「薬剤に頼らず、表面の形だけで機能を出した」点にあると考えています。
そしてこの考え方は
今後さらに広がると予想します。
根拠を3つ挙げます。
根拠1:食品まわりは「足すもの」を減らしたい
口に入るものの近くでは、
余計な成分をできるだけ足したくないという
要求が年々強まっています。
塗って機能を出す方法は、
その成分について常に説明が求められます。
一方で形を変えるだけなら、
足しているものが少なくて済みます。
この点は今後さらに効いてくると予想します。
根拠2:すでに別分野へ移植されている
実際、応用はヨーグルトにとどまりません。
油をはじくタイプの
「トーヤルウルトラロータス」が
ケーキの包装材に使われ、
建築用の型枠にも展開されたと
報じられています。
用途をまたげる技術は
寿命が長いと考えられます。
根拠3:効果が落ちにくいと期待できる
塗った膜は、こすれば減っていきます。
ところが形そのものが機能の源であれば、
すり減らない限り働き続けます。
使い捨ての包装材では差が出にくくても、
くり返し使う製品では
大きな利点になると予想します。
くっつくかどうかは「触れる広さ」で決まる
そもそも、ものが張り付くのは
広く触れているからです。
指を机にぴったり付ければ離しにくく、
爪先だけなら簡単に離せます。
フタの上でも同じことが起きています。
森永乳業の公式サイトによれば、
フタの最内面には
微細な凹凸が無数にあり、ヨーグルトが付着してもすぐに転げ落ちるとされています。
ヨーグルトはデコボコの頂点にしか届かず、
丸まったまま滑り落ちていきます。
昔のフタとの違いを並べると
| くらべる点 | 昔のフタ | いまのフタ |
|---|---|---|
| 内側の面 | わりとなめらか | 細かいデコボコだらけ |
| 触れ方 | 面でぴったり | 点でちょんちょん |
| 開けたとき | べったり残る | 玉になって落ちる |
素材はどちらもアルミです。
変わったのは表面の作り方だけ。
それだけで結果がここまで変わります。
はじくのに、なぜ密封できるのか
よくある疑問がこれです。
そんなにはじくなら、
容器から外れてしまいそうに思えます。
答えは場所ごとの作り分けです。
はじく必要があるのは
中身に向いた内側の面だけ。
容器のフチと重なって密封する部分は、
逆にしっかりくっつくように
作られています。
1枚のフタが、
場所によって正反対の仕事をしているわけです。
知財タイムズも、
この「くっつける」と「はじく」の両立が
最大の課題だったと伝えています。
言葉にすると簡単ですが、
1枚の薄いアルミの上で
両方を成立させるのは容易ではありません。
なぜこの開発が必要とされたのか
Lmaga.jpによると、
きっかけは森永乳業からの相談でした。
消費者から届いていた声は
次のようなものだったとされています。
- 開けたときに飛び散ってしまう
- 子どもがなめるので衛生面が気になる
- ゴミに出す前の水洗いが手間
どれも大事故ではない小さな不満です。
けれど毎日くり返されます。
小さな不快を消す仕事こそ、暮らしを静かに変える——
そう考えると、
この技術の位置づけが見えてきます。
お手本になった蓮の葉のこと
この構造は蓮の葉をまねたものです。
開発者の関口朋伸さんは、
製造所のお稲荷さんへお参りした際、
となりの沼で
葉の上を転がる水玉に気づいたといいます。
そこで終わらせず、
葉を顕微鏡で観察したところ、
表面に無数の細かい突起物が並んでいることが
分かりました。
これがそのまま
フタの設計思想になっています。
蓮が泥の中で育っても
葉がきれいなままなのは、
転がる水玉が汚れを巻き込んで落とすから。
フタの上で起きていることも、
原理としては同じです。
技術は特許で守られている
知財タイムズによれば、
この技術は特許第4348401号「蓋材」として
登録されています。
出願日は2009年2月13日、
権利者は東洋アルミニウム株式会社です。
発想そのもの——蓮をまねる——は
誰でも思いつけます。
それでも各社が横並びにならないのは、
安い部材を大量に、同じ品質で作り続けるのが難しいからだと考えられます。
権利で守られているあいだに
製造の経験を積めたことも
大きかったはずです。
実績と評価
| 採用開始 | 2011年10月/ビヒダスヨーグルト4ポットシリーズ |
| 開発体制 | 東洋アルミニウム × 森永乳業の共同開発 |
| 受賞 | 2013年 デュポンパッケージング賞 シルバー賞 |
| 普及 | 国内ソフトヨーグルト蓋材の約8割(Lmaga.jp) |
放送情報
| 番組 | 情熱のしずく |
| 局 | 日本テレビ |
| 日時 | 2026年7月25日(土)21:54〜22:00 |
| 開発者 | 関口朋伸さん(東洋アルミニウム) |
Q&A
なぜくっつかないのですか?
内側の面にある無数の細かいデコボコのせいで、
ヨーグルトが面で触れられないからです。
何か塗ってあるのですか?
公式が強調しているのは表面の構造です。
蓮の葉が持つロウのような撥水成分も
参考にされたと報じられています。
体に害はありませんか?
大手乳業メーカーの主力商品で
2011年から使われ続けている部材です。
気になる点は各メーカーの公式情報を
ご確認ください。
フタが外れやすくなりませんか?
なりません。
はじくのは中身に向いた面だけで、
フチの密封部分は
しっかり付くよう作られています。
開発したのはどなたですか?
東洋アルミニウム株式会社の
関口朋伸(せきぐち とものぶ)さんです。
この技術で平成28年度の全国発明表彰・発明賞を
受けています。
7月25日の『情熱のしずく』にも
登場する予定です。
この仕組みの呼び名は?
ロータス効果といいます。
蓮の葉が水をはじき、
汚れも一緒に落とす性質のことです。
ヨーグルト以外にも使えますか?
油をはじくトーヤルウルトラロータスが
ケーキの包装などに使われています。
水系と油系では設計が変わるため、
別の技術として作り分けられています。
まとめ
ヨーグルトがフタにくっつかないのは、
内側の面が細かいデコボコになっていて、触れる面積が極端に小さいからです。
蓮の葉をお手本にした構造で中身を玉にし、
フチではしっかり密封する——
1枚のフタが正反対の仕事を
同時にこなしています。
7月25日の放送では、
これを形にした関口朋伸さんの
試行錯誤が描かれる見込みです。
毎朝の何気ない動作の裏に、
これだけの工夫が隠れていた——
そう思うと、
ふだんの食卓が少し違って見えてきます。

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