【結論】北海道白老町の「かに御殿」は、運営会社の株式会社マルヨシ水産が7月20日付で事業を停止し、破産申請の準備に入ったため閉店しました。負債総額は約3億2,400万円です。

- 閉店日は2026年7月20日(同日付で事業停止)
- 運営は株式会社マルヨシ水産(1980年5月設立)
- 負債総額は約3億2,400万円(2025年5月期末時点)
- 直接の要因はコロナ禍以降の観光客減と債務超過の拡大
- 屋根のクマとサケの巨大オブジェの行方は未発表です
屋根に載った巨大なクマとサケで知られた白老町の「かに御殿」が、突然閉じました。国道を走ったことがある方なら、あのオブジェを覚えているはずです。なぜ閉店したのか、そしてあのオブジェはどうなるのか——順に整理します。
【考察】かに御殿のクマとサケのオブジェは今後どうなる?
私は、オブジェは当面その場に残るが、最終的な行方は建物ごとの買い手が現れるかどうかで決まると読みます。「町のシンボルだから保存される」という流れには、自動的にはなりません。
理由1:破産手続きでは、資産は換価の対象になる
破産手続きは、裁判所が破産管財人を選任し、債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続きです。換価の対象には土地・建物などの不動産も含まれます(裁判所)。オブジェは店舗の屋根に設置された造作物であり、建物と切り離して「思い出だから残す」という判断が入りにくい立場にあります。まず建物と土地の処分が先に決まり、オブジェの扱いはその結果に付いてくると考えます。
理由2:撤去にも費用がかかるため、すぐには動かない
報道によれば、オブジェは木彫りの熊と鮭で、屋根の上に設置された巨大なものです(東京商工リサーチ)。屋根上の大型造作物を降ろすには重機と足場が要ります。負債が約3億2,400万円という状況で、換価に直結しない撤去費を先に出す判断は取りにくいはずです。買い手が現れるまでは、建物ごと現状のまま置かれる可能性が高いと予想します。逆に言えば、しばらくは見に行ける状態が続くとも読めます。
理由3:注目度が上がったこと自体が、引き取り手を呼ぶ可能性
閉店の一報はSNSで急速に広がり、白老のシンボルが消えることを惜しむ声が並びました。知名度が一段上がった状態で売りに出る形になります。観光施設として再利用したい事業者や、オブジェそのものを引き取りたい相手が出てくる余地はあります。ただし虎杖浜地区はコロナ禍で観光客が激減した後、完全には戻っていないと報じられた地域でもあります(HTB北海道ニュース)。同じ形の商売をそのまま引き継ぐ買い手が付くとは限らず、用途が変われば、オブジェが不要と判断される展開もあり得ます。
まとめると、「短期は現状維持、長期は買い手次第」というのが私の予想です。あくまで予想であり断定ではありません。今後の扱いは破産手続きの進行と、地元自治体や事業者の動きによって変わります。公式の発表を待つのが確実です。
かに御殿とは?屋根のクマとサケで知られた店
「かに御殿」は、北海道白老町の虎杖浜地区にあった海産物の土産物店です。レストランを併設し、店舗の屋根に設置された木彫りの熊と鮭の巨大なオブジェで注目を集めていました(東京商工リサーチ)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗名 | かに御殿 |
| 運営会社 | 株式会社マルヨシ水産 |
| 設立 | 1980年5月 |
| 所在地 | 北海道白老町 虎杖浜地区 |
| 業態 | 海産物の土産物店+レストラン |
| 特徴 | 屋根の木彫りの熊と鮭の巨大オブジェ |
虎杖浜はたらこの産地として知られる地域で、国道36号沿いに海産物店が並びます。その中でも、遠くから見える屋根のオブジェは「あの店」として覚えられる目印になっていました。近年は外国人観光客からの人気も高かったと伝えられています(STVニュース北海道)。
閉店理由は?売上のピークから何が起きたのか
閉店の直接の理由は、資金繰りの悪化と先行きの見通しが立たなくなったことです。マルヨシ水産は2026年7月20日付で事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して破産申請の準備に入りました(北海道新聞)。
売上の推移を見ると、落ち込みの大きさが分かります。
| 時期 | 売上高 |
|---|---|
| 1993年5月期(ピーク) | 約10億円 |
| 2025年5月期 | 約1億5,000万円 |
ピークだった1993年5月期の売上高は約10億円でしたが、2025年5月期は約1億5,000万円まで落ちていました(HTB北海道ニュース)。ピーク時の7分の1程度という水準です。
ただし、途中で立て直しの動きもありました。東京商工リサーチによれば、売上高は一進一退で徐々に減少していたものの、2013年に現社長が就任して以降は外国人ツアー客を積極的に取り込み、売上高は一時増加に転じていたと伝えられています。つまり手を打っていなかったわけではないという経緯です。
そこに2020年2月以降の新型コロナウイルスの影響が重なり、観光客の来店が激減しました。ツアー客に軸足を置いていた分、往来が止まった時の影響は大きくなります。過年度からの債務超過が拡大する中で資金繰りが限界に達し、事業継続を断念したと報じられています(東京商工リサーチ)。
SNSで注目されている点
反応が集まっているのは、まずオブジェへの思い入れです。白老のシンボルが消えることを惜しむ声が並び、閉店の一報はSNSでまとめられるほど広がりました。実際に買い物をしたことがなくても、「車から見えたあのクマ」として記憶している方が多い形です。
次に多いのが、虎杖浜エリア全体への心配です。たらこや温泉で知られる地域だけに、目立つ1軒が閉じたことを地域の変化と結びつけて受け止める声が出ています。
3つ目は「まだ買えるのか」という実務的な疑問です。事業はすでに停止しているため、店舗での購入はできません。通販や他店舗での取り扱いについても、現時点で案内は出ていません。
誤解しやすい点・注意点
- 現時点は「破産申請の準備」段階で、破産手続きの開始決定とは別です
- 負債額は報道で「約3億円」と「約3億2,400万円」の両方が出ています
- 閉店したのはかに御殿とマルヨシ水産で、虎杖浜の他店とは別です
- オブジェの撤去・保存について発表は出ていません
特に混同されやすいのが、負債額の数字です。北海道新聞は「負債3億円」、東京商工リサーチは「約3億2,400万円(2025年5月期末時点)」としています。概数と時点付きの数字の違いであり、矛盾ではありません。この記事では時点が明示されている後者を基準にしています。
もう1点、今回の件は1社の経営に関する話です。虎杖浜エリアの他店が一斉に閉じたという報道は出ていません。ただし各店の営業状況までは今回の報道で確認できないため、旅行を予定している方は行き先ごとの営業情報を個別にご確認ください。
Q&A|かに御殿の閉店でよくある疑問
Q1. かに御殿はいつ閉店しましたか?
2026年7月20日付です。同日付で運営会社の株式会社マルヨシ水産が事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して破産申請の準備に入りました。
Q2. 閉店の理由は何ですか?
資金繰りの悪化です。2020年2月以降のコロナ禍で観光客の来店が激減し、過年度からの債務超過が拡大しました。売上高はピークだった1993年5月期の約10億円から、2025年5月期には約1億5,000万円まで落ちていました。
Q3. 屋根のクマとサケのオブジェはどうなりますか?
現時点で発表はありません。この記事の考察では「短期は現状維持、長期は買い手次第」と予想しましたが、これは編集部の予想であり断定ではありません。破産手続きの進行と、建物・土地の処分の結果によって変わります。
Q4. まだ商品を買うことはできますか?
できません。すでに事業は停止しています。通販や他店舗での取り扱いについても案内は出ていません。たらこなどを探す場合は、虎杖浜エリアの他店の営業情報を個別にご確認ください。
Q5. 白老の他の観光施設も閉まったのですか?
閉まっていません。今回の閉店はマルヨシ水産1社の経営に関するものです。白老町にはウポポイ(民族共生象徴空間)をはじめ、通常どおり運営されている施設があります。旅行前には施設ごとの営業情報をご確認ください。
Q6. 負債額はいくらですか?
東京商工リサーチによれば約3億2,400万円(2025年5月期末時点)です。北海道新聞は「負債3億円」と伝えています。時点の明示された数字と概数の違いであり、内容が食い違っているわけではありません。
今後の見通し
まず進むのは破産申請と、その後の手続きです。裁判所が破産手続きの開始を決定すると破産管財人が選任され、財産の調査と換価が始まります(裁判所)。店舗と土地の扱いが具体的に見えてくるのは、この段階以降です。
次に注目したいのが、地元の動きです。オブジェを地域の資産として残す案が出るとすれば、自治体や観光関係の団体が関わる形になります。ただし現時点でそうした発表はありません。
最後に、虎杖浜エリアそのものの動向です。たらこと温泉という強みは残っており、目立つ1軒が抜けたことで周辺店舗に客が流れる可能性もあります。「地域全体が沈んだ」と受け取るのは早い段階です。訪れる予定がある方は、営業状況を個別に確認しながら計画を立ててください。
まとめ
- かに御殿は2026年7月20日付で閉店(マルヨシ水産が事業停止)
- 理由はコロナ禍以降の観光客減と債務超過の拡大
- 負債総額は約3億2,400万円(2025年5月期末時点)
- 売上はピーク約10億円から約1億5,000万円へ
- クマとサケのオブジェの行方は未発表
かに御殿の閉店は、ツアー客を軸にした観光商売がコロナ禍で受けた影響が、時間差で表に出た形と言えます。2013年以降に外国人客を取り込んで一度は持ち直していただけに、往来が止まった期間の重さが分かります。
屋根のクマとサケについては編集部の予想を書きましたが、これは予想であり断定ではありません。今後の扱いは破産手続きの進行次第です。続報が出た段階で改めて確認してください。

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