【結論】ブリストル出身のマッシヴ・アタックが、FUJI ROCK FESTIVAL ’26の最終日を締めくくりました。2010年以来16年ぶりの苗場登場です。この夜に合わせ、バンド初のライブ配信も実施されました。
検索が伸びているグループの名前を見て、
「そもそも何者なのか」から
知りたい方も多いはずです。
90年代を語るうえで外せない存在ですが、
新譜の間隔が長く、
名前だけ知っている方も少なくありません。
この記事はバンドの成り立ちから順に整理し、
そのうえで配信の話と
今回の解禁をどう読むかまで
触れていきます。
- 1980年代のブリストルが出発点。トリップホップの草分けとされるグループ
- いま名を連ねるのは3D(ロバート・デル・ナジャ)とダディ・G(グラント・マーシャル)
- もっとも知られる曲は『Mezzanine』収録の「Teardrop」
- 苗場の出演枠は7月26日 21:10〜22:40 グリーンステージ。16年ぶり
- 7月26日の無料配信は終了済み。7月27日21時の番組はMV中心・約65分
マッシヴ・アタックとは?港町ブリストルから生まれた2人組
拠点はイングランド西部の港町ブリストルです。
1980年代の初めに動いていた
「ワイルド・バンチ」という集団が母体になったと
公式のプロフィールで説明されています。
そこから枝分かれする形で、
3D、ダディ・G、
マッシュルーム(アンドリュー・ヴォウルズ)の
3人組としてスタートしました。
いわゆるバンド編成ではなく、
曲ごとに歌い手を迎える作り方を
続けてきたのが特徴です。
マッシュルームは
『Mezzanine』を出したあとに離脱したと
紹介されています。
続く『100th Window』は
3Dの色が濃い1枚と語られ、
『Heligoland』のタイミングで
ダディ・Gが戻りました。
音のジャンルと、耳に残る「Teardrop」
音楽の呼び名としては
トリップホップが定着しています。
ゆったりしたヒップホップのビートに
ダブやソウルの手触りを重ねた音で、
土地の名前からブリストル・サウンドとも
呼ばれてきました。
盛り上げて畳みかけるタイプではなく、
低い温度のまま張り詰めていく作りです。
夜の時間帯にはまる音という評価は、
今回の出演枠にも通じるところがありそうです。
入口になりやすいのが
1998年の「Teardrop」です。
アルバム『Mezzanine』に収められ、
歌っているのはコクトー・ツインズの
エリザベス・フレイザーでした。
海外ドラマ『Dr.HOUSE』の冒頭で
使われていたため、
タイトルは初耳でも旋律は分かるという
反応がよく見られます。
| アルバム | どんな1枚か |
|---|---|
| 『Blue Lines』(1991年) | 最初の作品。この音を世界へ知らせた出発点とされます |
| 『Protection』 | 歌もの寄りの手触り。追随する作り手を多く生んだと評されます |
| 『Mezzanine』 | 陰りを突き詰めた1枚。「Teardrop」を収録 |
| 『100th Window』 | 3人組から2人体制へ移った時期の作品 |
| 『Heligoland』(2010年) | 前回の苗場出演と同じ年に届いた作品 |
公式の紹介では
UKのアルバムチャートで2作続けて1位を
取ったと記されています。
90年代を代表する名前として
扱われてきた理由がここにあります。
配信は今から見られる?26日と27日で中身が違います
ここは取り違えが起きやすいところです。
結論を先に書くと、
ステージの配信はもう終わっています。
27日の番組は別の企画です。
| 企画 | 日時・視聴先 | 状況 |
|---|---|---|
| バンド初のライブ配信 | 7月26日(日)21時10分〜/Amazon Music・Prime Video・Twitch | 配信済み。見逃し用の案内は出ていません |
| YouTube特別番組 | 7月27日(月)21時〜/ユニバーサル ミュージック ジャパンのチャンネル | この時間のみ。アーカイブは残らないと案内 |
| フジロックの無料配信全体 | 7月24〜26日/4ステージ・約50組 | 会期そのものが終了しています |
26日の配信は、
Amazonのアカウントさえあれば
プライム会員でなくても無料という
案内でした。間口を広くとった形です。
対して27日21時の番組は、
苗場で鳴らされた曲を軸に、
人気曲のミュージックビデオを約65分流す構成だと
説明されています。
本人たちは登場しません。
当日の演奏曲順については、
公式の予習プレイリストが
公演後に差し替えられる予定とされています。
この記事を書いている時点では
正式な一覧は出ていません。
【考察】配信を避けてきた彼らが、苗場で例外を作った理由
ここからは編集部の考察(予想)です。
結成から30年以上、
ライブの中継に手を出さなかったグループが、
よりによって日本のフェスの最後尾で
例外を作ったのは、偶然ではなさそうです。
読みとしては、
「会場に来られない人へ、
一度だけ扉を開けた」のではないか、
という線を推しておきます。
そう考える手がかりは4つあります。
ひとつは空いた時間の長さです。
前回の苗場は2010年と発表されており、
『Heligoland』が届いた年にあたります。
そこから16年が過ぎました。
この間に聴き始めた人にとっては
実演に触れる機会が一度もなかったことになり、
需要が積み上がっていたと見られます。
ふたつめは移動と排出の問題です。
このグループは
マンチェスター大学の気候変動の研究機関と組み、
公演にともなう二酸化炭素の排出に
取り組んできたと報じられています。
観客が集まること自体が排出を生むという
指摘は以前からあり、
移動を伴わない視聴手段は
この立場とぶつからない選択です。
みっつめは記録を残さない構えです。
27日の番組についても
アーカイブは用意しないと明記されています。
いつでも呼び出せる素材にするより、
その時間に立ち会うことへ重心を置く。
音と映像を組み合わせて
ひとつの場を作ってきた作り手らしい判断に映ります。
よっつめは発表の時期です。
開幕直前に出た配信対象の一覧に
このグループの名前は見当たらず、
フェス公式のSNSでは
「配信スケジュールに追加できて光栄だ」という
言い回しで知らされました。
当初からの予定ではなく、
直前まで詰めた末の決定だった可能性があります。
では、この一度きりが
前例として残るのかどうか。
ここも気になるところです。
中継を一度通してしまえば、
次に断る理由は弱くなります。
今回の反応がよければ、
別の会場でも同じ形が採られる展開は
十分にありえます。
- 16年の間隔が生んだ「見たかった人」の厚み
- 排出に向き合う立場と、移動しない視聴手段の相性
- 残さない=一度きりに価値を置く構え
- 直前の追加発表という進み方
いずれも公表されている材料からの推測です。
当人たちが理由を語れば
見立ては変わります。
その前提で読んでいただければと思います。
音楽の外でも声を上げてきたグループ
関連語に「思想」が並ぶのは、
発言の多さが知られているためです。
音源だけで完結してこなかった点が、
この名前の輪郭を作ってきました。
3Dは戦争に反対する活動に
深く関わってきたと紹介されています。
パレスチナ支援の団体のために
公演を行ったとも伝えられています。
ステージでは
温暖化や軍事予算への批判を
掲げてきたとされ、
『Heligoland』にも
環境や抗議のモチーフが
読み取れると評されています。
先に触れた公演の排出量への取り組みも
その延長線上にあります。
言葉で終わらせない進め方が、
評価を支えてきた面がありそうです。
ここに挙げたのは
公開されている活動の紹介までです。
内容への賛否は
聴き手それぞれで分かれるはずです。
マッシヴ・アタックに関するQ&A
Q1. どんなジャンルの音楽になりますか?
トリップホップと呼ばれることが多いです。ゆっくりしたビートにダブやソウルを重ねた音で、ブリストル・サウンドという呼び方も使われます。
Q2. いま何人で活動していますか?
公式の紹介では3Dとダディ・Gの2人とされています。楽曲ごとに外部の歌い手を招く形が続いてきました。
Q3. 苗場での出演枠はいつでしたか?
7月26日(日)21時10分から22時40分、グリーンステージと案内されていました。3日間の締めくくりにあたる枠です。
Q4. 26日の配信を見逃しました。あとから追えますか?
配信はすでに終了しており、見逃し視聴についての案内は確認できていません。追加の発表を待つことになりそうです。
Q5. 27日の番組ではライブ映像が流れますか?
案内では苗場で演奏された曲を軸にMVを流す構成とされています。ステージ映像そのものではない点にご注意ください。約65分で、本人の出演もないとのことです。
Q6. どのアルバムから聴くとよいでしょうか?
『Mezzanine』か『Blue Lines』が挙げられます。張り詰めた質感が好みなら前者、成り立ちから追いたいなら後者が向いていそうです。
Q7. 今後の来日公演は決まっていますか?
この記事の時点で単独公演の発表は確認できていません。公式サイトやSNSの告知を追うのが確実です。
まとめ
26日の配信は終了し、27日21時の番組はMV中心の約65分です。
この2つはまったく別の企画なので、
取り違えないようご注意ください。
16年ぶりの登場と、
初めての中継が重なった一夜でした。
記録を残さない形まで含めて、
この2人らしい進め方だった
と言えるのかもしれません。
演奏曲の公開など、
新しい情報が出たら追記します。
参考: ユニバーサル ミュージック ジャパン(マッシヴ・アタック公式) / amass / CDJournal / FUJI ROCK FESTIVAL 公式アーティストページ / FASHIONSNAP / Rolling Stone Japan

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