退職代行は運営元で選ぶ|民間・労働組合・弁護士の違いと2026年の最新データ

    【結論】退職代行を選ぶときに最初に見るべきなのは、料金でも口コミでもなく運営元です。民間業者・労働組合・弁護士で、会社にできる話の範囲がまるごと変わります。

    @shougun0315

    なぜ民間退職代行サービスがオワコンって言われてるのか考察してみました

    ♬ オリジナル楽曲 – さっしー – さっしー

    この記事で分かること
    • 自分の退職に「交渉」が必要かどうかの見分け方
    • 民間業者・労働組合・弁護士で対応できる範囲がどう違うか
    • 企業の30.4%が連絡に応じないと答えた背景
    • 2026年の刑事事件で、何が違法と判断されたのか
    • 依頼する前に公式サイトのどこを見ればよいか
    目次

    【考察】これから退職代行を選ぶ人は、何を基準にするようになるのか?

    ここからは編集部の予想です。
    先に言い切ります。
    2026年後半、退職代行の比較軸は「いくらか」から「どこが運営しているか」へ移ります。
    価格の安さを前面に出した訴求は、少しずつ効かなくなると見ています。

    そう読む理由の1つ目は、依頼しても会社が応じない事例が数字で出たことです。
    東京商工リサーチが2026年3月31日から4月7日に6,425社へ実施した調査では、30.4%(1,248社)が「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答しました(東京商工リサーチ)。
    中小企業では31.0%、大企業でも21.9%です。
    依頼先の窓口が理由で話が止まるなら、安さは意味を持ちません

    2つ目は、交渉を必要とする依頼が一定量あることです。
    同じ調査で、退職代行から連絡を受けた411社が受け取った通知の内訳は、有給休暇の取り扱いが18.7%、退職日の交渉が17.2%、未払い賃金や残業代が9.9%でした。
    非弁行為に触れる可能性のある通知を経験した企業は30.4%(125社)です。
    項目は重複し得るため依頼者の割合までは分かりませんが、伝えるだけでは終わらない場面が一定数あることは読み取れます。
    そこに当たる人にとって、運営元は最初に確認すべき条件です。

    3つ目は、刑事事件の中身が「窓口の資格」の話だったことです。
    2026年2月、退職代行「モームリ」の運営会社の社長らが弁護士法違反の疑いで逮捕されました(時事ドットコム)。
    問題とされたのは、報酬を得て利用者を提携弁護士へあっせんした点です。
    報道でくり返し語られたのが資格と報酬の関係だったため、読者側の関心も自然にそこへ向きます。

    4つ目は、利用歴が採用で見られる可能性が示されたことです。
    同調査では、選考中に退職代行の利用歴が分かった場合、26.0%が採用しない49.3%が慎重になると答えました。
    この数字を知った人は、もめずに終わらせる道筋を先に考えます。
    そこで効いてくるのが、会社と正面から話せる窓口を選べているかどうかです。

    5つ目は、8月28日に判決が予定されていることです。
    前社長側には懲役2年、法人には罰金200万円が求刑されています(弁護士ドットコムニュース)。
    判決の日に報道が重なれば、退職代行という言葉はもう一度検索されます。
    そのとき人が知りたいのは事件の詳細ではなく、自分はどこへ頼めば安全かです。
    比較軸が運営元へ移ると読むのは、この検索意図の移り方を見てのことです。
    あくまで予想であり、断定ではありません。

    最初にやること:自分の退職に交渉が要るかを判定する

    選び方の手順は単純です。
    会社へ「伝える」だけで終わるのか、それとも「話し合う」必要があるのか
    この一点を先に決めます。
    下の表で当てはまるものを探してみてください。

    あなたの状況必要なもの向いている運営元
    とにかく明日から行きたくない。有給は残っていない伝達のみ民間業者型も選択肢
    残っている有給を全部使ってから辞めたい交渉労働組合型/弁護士型
    退職日を前倒ししたい。引き止めが強い交渉労働組合型/弁護士型
    未払いの残業代や退職金を請求したい請求・法的手続弁護士型
    損害賠償をほのめかされている法的手続弁護士型

    迷ったときは上の行から下へ読み、ひとつでも下側に当てはまるなら、そちらに合わせて選ぶほうが安全です。会社から損害賠償をほのめかされているなど争いがある場合は、運営元の種類にかかわらず弁護士への相談を検討してください。

    運営元で変わるのは「会社と何を話せるか」

    3つの型の違いを、できることの順に並べます。

    運営元会社にできる話根拠料金の目安
    民間業者退職の意思を伝える。事務的な連絡の取次資格が要らない範囲1万〜2万4000円
    労働組合取次に加えて、有給や退職日などの団体交渉労働組合法の団体交渉権2万〜3万円
    弁護士交渉に加えて、請求・訴訟まで法律事務の代理5万〜10万円

    民間業者が条件の話へ踏み込めないのは、弁護士法72条があるためです。
    弁護士でない人が報酬を得る目的で法律事務を扱うことを禁じています。
    有給の消化や退職日の調整は、会社と条件を詰める場面になれば法律事務にあたり得ます
    あてはまるかは事情によりますが、資格のない業者が入れば非弁行為と評価される可能性があります。

    労働組合型は、本人が組合員になったうえで団体交渉する仕組みです(ベンナビ労働問題)。
    会社は正当な理由なく団体交渉を断れません。
    ただし組合の実体や対応範囲はサービスごとに違うので、申し込み前に確認したいところです。
    料金はあくまで目安で、幅があります。

    なぜ今「選び方」が話題になっているのか

    きっかけは2026年に入ってからの刑事事件です。
    経緯を短くたどります。

    • 2月3日:運営会社の社長らを弁護士法違反容疑で逮捕。紹介料は1人あたり1万6500円と報じられた
    • 2月24日:東京地検が本人ら・法人・弁護士2人・弁護士法人2社を起訴。対象は計174人の紹介
    • 4月23日:運営会社が新規受付の再開を発表。代表取締役は4月1日付で交代
    • 6月5日:弁護士法人の代表弁護士に懲役1年6月・執行猶予3年、法人に罰金150万円の判決
    • 8月28日:前社長側の判決言い渡し予定

    起訴内容の中心は、報酬を得て利用者を弁護士へあっせんした点でした(時事ドットコム)。
    弁護士側の判決で東京地裁は「弁護士としての使命をはき違えた」と述べています(日本経済新聞)。
    ここで裁かれたのは紹介のしかたであって、退職の意思を伝える行為そのものではありません。
    運営会社は2026年4月23日に新規受付の再開を発表しています(ITmedia NEWS)。

    前社長側の判決は8月28日に予定されており、記事の執筆時点では出ていません。そのため有罪と決まったような書き方はしていません。

    依頼する前に見ておきたい数字

    使う側が知っておくと判断が変わる数字を並べます。

    退職代行を使われた企業8.7%(564社/2024年1月以降)。前回より1.5ポイント増
    大企業に限ると21.3%。中小企業は7.8%
    連絡に取り合わない30.4%(1,248社)
    通知内容で最多退職意思の取次のみ 66.6%(274社)
    採用への影響採用しない26.0%/慎重になる49.3%/影響しない23.7%

    逮捕の報道後に企業の対応が変わったかを聞いた設問では、特に変化なしが37.7%(198社)でした。
    ただし比較できないと答えた企業が60.8%あるため、報道後に企業の対応が厳しくなったかどうかは、この調査だけでは判断できません
    読み取れるのは、依頼する側が窓口を選ぶ材料が増えたということまでです。

    公式サイトのどこを見れば運営元が分かるか

    広告の見出しではなく、ページの下のほうを見ます。

    • 労働組合型なら組合名が明記されているか(「〜労働組合」の表記)
    • 弁護士型なら受任する事務所名と弁護士名が出ているか
    • 「交渉できます」とある場合、実際に交渉する主体が組合または弁護士だと書かれているか
    • 提携弁護士を紹介するという表現の場合、誰が費用を受け取るのか
    • 料金表に交渉の可否が書き分けられているか

    今回の事件で問題になったのは、まさに紹介と報酬の関係でした。
    だからこそ、誰が窓口として会社と話すのかを先に確かめる意味があります。

    よくある質問(Q&A)

    Q1. いちばん安い民間業者を選んで大丈夫ですか?

    伝えるだけで完結する退職なら、選択肢として成り立ちます
    ただし調査では30.4%の企業が非弁行為の可能性を理由に取り合わないと答えています。
    会社ともめている自覚があるなら、交渉できる運営元を選ぶほうが結果的に早く終わります。

    Q2. 労働組合型と弁護士型は、どこで使い分ければよいですか?

    目安はお金の請求や争いがあるかどうかです。
    有給の消化や退職日の調整を求めるなら、団体交渉を行う労働組合型が候補になります。
    未払い賃金や退職金の請求、損害賠償の主張といった法的な争いがあるなら弁護士型が適しています。

    Q3. 民間業者が「交渉もできます」と書いていたら?

    会社と実際に話す相手が誰なのかを確認してください。
    株式会社が窓口でも、交渉を担うのが組合や弁護士であるケースはあります。
    表記だけでは判断できないので、問い合わせ時に誰が会社と話すのかを聞くのが確実です。

    Q4. 退職代行を使うと転職で不利になりますか?

    この調査が示しているのは、選考中に利用歴が分かった場合の企業の回答です。
    内訳は26.0%が採用しない、49.3%が慎重になるで、影響しないは23.7%でした。
    実際に利用歴が転職先へ伝わる経路や頻度までは、この調査からは分かりません

    Q5. 事件を起こしたサービスは、いま使えるのですか?

    運営会社は2026年4月23日に新規受付の再開を発表しました。
    代表取締役は交代し、法令順守体制の見直しを進めるとしています。
    ただしこれは4月時点の発表なので、最新の状況は公式の案内で確かめてください。

    Q6. この記事の【考察】は決まった見通しですか?

    いいえ。
    【考察】に書いたのは編集部の予想で、公式に発表された見通しではありません。
    事実として扱っているのは、報道と調査データで確認できた範囲だけです。

    まとめ:値段の差は、話せる範囲の差

    要点を並べます。

    • 先に決めるのは交渉が要るかどうか。そこから運営元が決まる
    • 民間業者は伝達まで、労働組合は交渉まで、弁護士は請求まで
    • 企業の30.4%は非弁行為の可能性を理由に取り合わないと回答
    • 事件で問われたのは紹介料を伴うあっせんで、取次そのものではない
    • 前社長側の判決は8月28日。報道が重なる前に選び方を決めておきたい

    退職代行は、使うか使わないかだけでなくどこに頼むかで進み方が変わります。
    運営元によって、会社と話せる範囲がそもそも違うためです。
    料金は目安なので、対応範囲・追加費用・返金条件はサービスごとに確かめてください。
    自分の退職に必要な範囲を先に決めてしまえば、迷う時間はぐっと短くなります。

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