広田尚敬の撮影方法まとめ!動止フォトグラフの仕組みと本人が語る3つのコツ

    【結論】広田尚敬さんの代名詞は、自作カメラで列車を止める「動止フォトグラフ」です。

    本記事はプロモーションを含みます。

    • 技法の名前は本人が付けた
    • 道具は市販品ではなく自作
    • 撮る位置は車両の真横
    • できあがる絵は列車が静止・背景が流れる
    • コツは計画しない・偶然を拾う・踏ん張る
    • デジタルには別のやり方を勧めている
    このページで分かること
    • 動止フォトグラフが何をしているか
    • ふつうの流し撮りとの差
    • 本人が語った3つのコツ
    • フィルムとデジタルで変わったこと
    • 8月23日の放送予定

    「日曜美術館」が2026年8月23日
    鉄道写真家の広田尚敬さんを特集します。
    この人を語るとき必ず出てくるのが
    「動止フォトグラフ」という単語です。
    辞書にはありません。
    広田さんが自分で名づけた言葉だからです。

    目次

    【予想】この技法が広まらなかった事情

    ここからは編集部の予想です。
    先に結論を書くと、
    この方法は「道具を自分で作れる人」にしか開かれていなかったと見ています。
    そう考える観点を7つ挙げます。

    観点1:まずカメラが手に入らない。
    広田さんが使ったのは自作のスリットカメラ
    買ってきて始められる技法ではありません。
    写真の腕とは別に
    機材を設計して組む力が要ります。
    ここで大半の人は入口に立てません。
    広田さんは撮影機材そのものを何種類も自作しており、
    道具づくりを仕事の一部と考えていました。

    観点2:撮れたかどうかがその場で分からない。
    フィルムの時代なので、
    撮影直後に画面で確認することができません。
    広田さんはこの時代の撮り方を
    「一発必中」と表現しています。
    自作機材が想定どおり動いたかは、
    現像を待つしかありませんでした。

    観点3:やり直しがきかない。
    被写体は走行中の列車です。
    失敗しても次の便まで待つしかありません。
    広田さんの若い頃の仕事は、
    夜行で現場に入り、朝から山で待って、撮れるのは1〜2枚というものでした。
    練習の回数が積めない条件です。
    しかもこの頃の報酬は
    国鉄の仕事でワンカット10円から始まっています。
    採算の面でも実験を重ねにくい環境でした。

    観点4:当時の需要とずれていた。
    かつての鉄道写真は
    車両の形式を正確に写す記録が主でした。
    動止フォトグラフが作るのは、
    肉眼では見えない見え方です。
    仕事として求められていたものとは、
    目的がまるで違いました
    それでも広田さんは風景や人の営みを画面に入れ、
    表現としての鉄道写真を確立した第一人者
    いまでは評価されています。

    観点5:名前が付いてしまった。
    広田さんは技法に名称を与え、
    1982年に交友社から同名の写真集を出しました。
    固有名詞になった技法を後から使うと、
    どうしても本家の後追いに見えます。
    名づけは看板であると同時に、囲いでもありました。

    観点6:連写の時代が来た。
    デジタルでは1秒間に数十枚撮れます。
    広田さんはこれを踏まえ、
    フィルム時代は「撮る文化」、
    デジタルは「消す文化」だと言い切りました。
    大量に撮って選べるなら、
    一発に賭ける道具を作る必要が薄れます

    観点7:本人が後継を求めていない。
    広田さんが若い撮り手へ言うのは、
    技法の再現ではなく
    「自分がいいと思った瞬間を撮ってほしい」ということです。
    流行り廃りではなく個性が光るものがいい、とも語っています。
    継がせる気がそもそもないのかもしれません。

    以上は予想であり、
    本人がこの理由を説明したわけではありません。

    仕組みをかんたんに

    名称動止フォトグラフ
    名づけたのは広田尚敬さん本人
    機材自作のスリットカメラ
    撮る位置走行中の列車の真横
    やっていること流し撮り
    結果車両が止まり、背景が流れる
    写真集『動止フォトグラフ』(交友社・1982年)

    一般的な流し撮りは、
    被写体を目で追いながらシャッターを切ります。
    動止フォトグラフはそれを
    真横から、スリットを通して行う点が違います。
    走っている列車が止まって見え、
    後ろの景色だけが流れる——
    実際には起こりえない絵ができあがります。

    ▼ 鉄道の撮り方を学べる本はこちらから

    ※入門書から作例集まで、目的に合わせて選べます。

    本人が語った3つのコツ

    コツ1:先に絵を決めない

    広田さんは
    「こういう写真を撮ってやろう」という事前の計画を持たないようにしていると話します。
    やることは、まず沿線を歩くこと。
    歩いていると
    「この風景ならこの時間にこう撮れる」と
    アイデアのほうが出てくるそうです。
    「頭はまっさらでないと駄目」という言葉が残っています。

    コツ2:偶然をいただく

    風で煙が流れる。
    鳥の群れが画面に入ってくる。
    広田さんはこうした予定外の要素を
    「その偶然をいただく」と表現します。
    そのうえで、
    画面をどう構成するかを瞬時に決断するのが極意だといいます。

    コツ3:足を踏ん張る

    大井川鐵道での撮影時、
    広田さんは「大地に足をしっかり踏ん張って撮ること」を挙げました。
    理由は「しっかり立たないと絵が安定しません」
    カメラを振りながら撮る手法だからこそ、
    下半身の安定が画面に直結します

    フィルムとデジタルで変わったこと

    項目フィルム時代デジタル時代
    広田さんの呼び方撮る文化消す文化
    1回の撮影枚数1枚ずつ「一発必中」1秒間に数十枚の連写
    確認現像するまで分からないその場で画面で確認できる
    広田さんの指導——「ともかく、たくさん撮れ」

    広田さんはコンテストの審査員も長く務めており、
    デジタル化でアマチュアの写真は格段に上手くなったと評価しています。
    撮ったその場で露出や構図を直せるからです。
    だからこそ、
    撮ったら見て、要らないものは自分で消すという
    新しい作法を勧めています。

    放送の基本情報

    番組名日曜美術館
    サブタイトル鉄道のくにを撮る 写真家 広田尚敬
    初回放送2026年8月23日(日)9:00〜9:45
    チャンネルNHK Eテレ1・東京
    再放送2026年8月30日(日)20:00〜20:45

    よくある質問

    動止フォトグラフはどう読みますか?

    「どうしフォトグラフ」です。
    動くものを止めて写す、という意味合いで
    広田さん自身が名づけました

    スリットカメラは市販されていますか?

    広田さんが使ったものは自作です。
    細い隙間を通して像を記録する仕組みで、
    店頭で買ってそのまま同じことができる機材ではありません。

    代表作はいつ撮られたものですか?

    機関車の動輪をとらえた作品が1967年
    場所は常磐線の木戸〜広野駅間です。
    走ってくる列車に合わせた流し撮りで撮られました。

    写真集はどれを見ればいいですか?

    技法そのものを扱ったのは
    『動止フォトグラフ』(交友社・1982年)です。
    広田さんの著書は250冊以上あるため、
    目的に応じて選ぶとよいでしょう。

    初心者は何から始めればいいですか?

    広田さんがデジタル世代に勧めるのは
    「ともかく、たくさん撮れ」です。
    連写して撮り、あとから自分で選んで消す。
    フィルム時代の一発必中とは
    まったく逆の練習法になります。

    いい写真とはどんな写真ですか?

    広田さんは「流行り廃りじゃなくて、個性の光るものがいい」と語っています。
    若い人には自分の感性を大切にして、
    いいなと思った瞬間を撮ってほしいとのことです。

    撮影のマナーで注意することは?

    鉄道と周囲の住民に迷惑をかけないことです。
    広田さんは撮影場所を
    「他人の家を訪問するのと同じ」と考えるよう説いています。
    場所取りでの争いや、
    撮影のために木を切るような行為は避けるべきという立場です。

    趣味との向き合い方は?

    広田さんは、
    趣味そのものが目的になっている人が増えていると指摘します。
    本来の目的は家族を大事にすること、いい人生を送ることであり、
    趣味はその手段だ、という考え方です。

    まとめ

    広田尚敬さんの動止フォトグラフは、
    自作スリットカメラで列車の真横から流し撮りする技法です。
    車両が止まり背景だけが流れる絵になります。
    1982年には交友社から同名の写真集も出ました。

    撮り方のコツとして語られるのは、
    先に絵を決めない/偶然をいただく/足を踏ん張るの3つ。
    一方でデジタル世代には
    「たくさん撮って自分で消す」という別の作法を勧めています。
    この先どちらの方法が主流になるかは分かりませんが、
    90歳が両方を語れること自体が珍しい話です。
    放送は8月23日(日)朝9時からです。

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