【結論】くるみざわしんさんは、精神科医として働きながら精神医療の戯曲を書いている人です。本名は胡桃澤伸さんです。
- 筆名は「くるみざわしん」、本名は「胡桃澤伸」。読み方は同じ
- 1966年 長野県生まれ。専門は統合失調症と児童思春期
- 代表作のひとつが『精神病院つばき荘』という戯曲
- 2021年、ラグーナ出版から5篇入りの連作戯曲集が出ている
- 連作の一部は東大阪市の就労支援作業所との共同製作
- 出演は2026年8月23日(日)朝5時 NHK Eテレ「こころの時代」
「こころの時代」に劇作家・精神科医 胡桃澤伸さんが出ます。
番組で扱われるのは満蒙開拓と祖父の話です。
ただ、この人の作品リストを見ると、精神医療を題材にした戯曲が並んでいます。
そちらをまとめました。
- 戯曲集に入っている5篇
- 作業所と一緒に作ったという作り方
- 本業と劇作の時間の重なり
- 本の値段や判型などの基本情報
【予想】最大の仕事は「上演できる形にした」ことでは
ここからは当ブログの予想です。
精神医療の現場を書いた文章は、記録や論文の形なら以前からあります。
くるみざわさんが選んだのは戯曲でした。
予想の結論はこうです。
この人の仕事の核心は、告発でも記録でもなく「他人が演じられる形にした」ことではないか。
そう見るポイントを6つ挙げます。
ポイント1:戯曲は他人が声に出す前提の文章
まず形式の話です。
論文や手記は、書いた人が書いた通りに読まれます。
戯曲は違います。俳優が演じ、観客が見ることで初めて成立します。
書いた本人の手を離れる形式を選んでいる、ということです。
ポイント2:実際に3年にわたって上演されている
『精神病院つばき荘』は2018年から2020年にかけて、新宿ゴールデン街劇場ほかで上演されました。
2019年には講談社「現代ビジネス」でも、ロングランを続ける理由を扱った記事が出ています。
一度きりの企画で終わっていません。
ポイント3:当事者と一緒に作っている
くるみざわさんは2019年から東大阪市の就労支援作業所「リカバリースペースみーる」との共同製作に取り組み、そこで『私 精神科医編』を書きました(ラグーナ出版)。
その後『私 ケースワーカー編』『あなた 精神科医編』へと連作にしています。
ポイント4:立場を固定しない書き方をしている
「著者より」にはこうあります。
「どちらが患者で治療者なのかわからない。どちらも患者で治療者である混沌に身を置き、精神医療の不条理に自由とユーモアを注ぎ込む」。
ここは当ブログの見立てですが、役が固定されていないほうが、演じる側は入りやすいとも言えます。
ポイント5:本の形にも残した
2021年、ラグーナ出版から連作戯曲集が刊行されました。
ここにはコロナ以降の未上演2作も入っています。
上演の機会がなくても台本として残る形にした、ということです。
ポイント6:祖父の話も演劇にしている
番組で扱われる満蒙開拓の話も、くるみざわさんは演劇にしています。
精神医療でも歴史でも、他人が演じられる形に置き換えるという手つきが共通しています。
ここから先は予想です。
8月23日の回は満蒙開拓が中心と案内されているので、戯曲集の話がどこまで出るかは分かりません。
ただ「自分の表現を取り戻し」という紹介文の流れで触れられる可能性はあると見ています。
以上はあくまで当ブログの予想です。
本人が「演じられる形にすることが目的だ」と語った記述は見つかっていません。
戯曲集の中身
| 作品 | メモ |
|---|---|
| 精神病院つばき荘 | 2017年 日本劇作家協会新人戯曲賞 最終候補 |
| ひなの砦 | 第22回 OMS戯曲賞 佳作 |
| 私 精神科医編 | 2019年から作業所との共同製作で執筆 |
| 私 ケースワーカー編 | 連作の2作目 |
| あなた 精神科医編 | 副題「サリバンの夕べ under COVID-19 Crisis」 |
紹介文に挙がっている題材は4つです。
医師国家試験で知った医療界の現実/自分の正しい名前を取り戻そうとする医師/「死について話をするのが怖い私」の独白/言葉の重みに呻吟する主治医の葛藤。
どれも医療を担う側の内側を扱っています。
実際に読んでみたい方向けに、戯曲集を探せるリンクを置いておきます。
▼ 精神医療連作戯曲集はこちらから
※在庫や価格は変わります。リンク先でご確認ください。
本の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | くるみざわしん 精神医療連作戯曲集 精神病院つばき荘/ひなの砦 ほか3篇 |
| 版元 | ラグーナ出版 |
| 刊行日 | 2021年2月19日 |
| 判型・頁数 | A5判(148×210ミリ)・194頁 |
| 定価 | 本体2,000円+税 |
| ISBN | 978-4-904380-99-4 |
版元のラグーナ出版は鹿児島の出版社で、精神科ドキュメントやメンタルヘルスの本を多く出しています。
著者一覧には中井久夫さんの名前も並びます。
番組の紹介文に出てくる「精神科医・中井久夫」との出会いを思うと、この並びは示唆的です。
本業と劇作は、いつ重なったのか
| 年 | 本業(精神科医) | 劇作 |
|---|---|---|
| 1966年 | 長野県に生まれる | — |
| 1995年 | 神戸大学で勤務を開始 | — |
| 2003年(37歳) | 勤務を継続 | 北区つかこうへい劇団 戯曲作法塾で学び始める |
| 2005年 | 同上 | 伊丹想流私塾で学ぶ |
| 2007年9月 | 同上 | 劇団「光の領地」を結成 |
| 2019年〜 | 同上 | 作業所との共同製作を開始 |
| 2021年 | 「働いて23年」と紹介される | 連作戯曲集を刊行 |
並べると分かるのは、劇作を始めたのが37歳だということです。
医師として働き始めてから8年後にあたります。
あとから演劇に入り、それを止めずに20年以上続けている形です。
まちがえやすいところ
| よくある思い込み | 実際 |
|---|---|
| 医師を辞めて劇作家に | 執筆時も現役の精神科医 |
| 実在の病院を書いた | つばき荘は戯曲の題名 |
| 1冊に1篇 | 戯曲集には5篇が入っている |
| 取材して書いた作品 | 連作の一部は作業所との共同製作 |
| ペンネームは別人 | 本名胡桃澤 伸、読みは同じ |
Q&A
Q1. くるみざわしんは本名ですか?
筆名です。
本名は胡桃澤 伸で、読み方は同じです。
Q2. 何冊出ていますか?
この記事で扱っている精神医療連作戯曲集には、5篇が1冊にまとまっています。
Q3. 値段はいくらですか?
本体2,000円+税です。A5判194頁。
Q4. どんな賞を受けていますか?
『精神病院つばき荘』は2017年の日本劇作家協会新人戯曲賞 最終候補。
『ひなの砦』は第22回 OMS戯曲賞 佳作です。
なお代表作『同郷同年』では、2016年に「日本の劇」戯曲賞 最優秀賞、2018年に第25回 OMS戯曲賞 大賞を受けています。
Q5. 劇団はありますか?
光の領地という劇団を2007年9月に結成し、代表を務めています。
Q6. 放送日はいつですか?
2026年8月23日(日)朝5時00分〜6時00分、NHK Eテレ「こころの時代」です。
おわりに
くるみざわしん(胡桃澤伸)さんは、精神科医として働きながら精神医療の戯曲を書いている人です。
代表作のひとつ『精神病院つばき荘』は2018年から2020年にかけて上演され、2021年には5篇入りの連作戯曲集としてまとまりました。
連作の一部は、東大阪市の就労支援作業所との共同製作として書かれています。
放送は2026年8月23日(日)朝5時、NHK Eテレ「こころの時代」です。

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