【結論】INMU KINGの削除を「ミセスファンの集団通報」と結びつける話で、確認できた中で最も拡散した根拠は伝聞の書き込みでした。制作者は「普通にデマだと思う」と投稿し、ファン側も「確定した情報はありません」と声明を出しています。
※YouTube公式のガイドライン解説動画です。今回話題の楽曲とは関係ありません。
- 拡散した根拠は「そのオプにいる友達が言っている」という一文
- その書き込みの画像が10月23日夕方にXで拡散
- 制作者は削除を報告した10月22日に「懐疑的」、のちに「普通にデマだと思う」
- ファン側の声明は荒らし被害を訴え、犯人探しの自制を求めた
AI楽曲「INMU KING」のMVがYouTubeから削除されたあと、なぜかミセス(Mrs. GREEN APPLE)のファンが疑いの目を向けられる事態になりました。
「本当にファンが通報したの?」「なぜミセスの名前が出たの?」と気になった方に向けて、噂がどう生まれ、どう広がったのかを順番にたどります。
最後に、こうした噂を広める前に確かめたいポイントもまとめました。
- ミセスファンの名前が出た噂の広まり方
- 噂が広まった理由(編集部の予想)
- 制作者とファン側の発信の比較
- シェア前に確かめたい5つのチェックリスト
【考察】INMU KINGの削除はなぜミセスファンのせいにされた?
ここからは編集部の予想です。
私の答えはこうです。
削除の理由が具体的に語られない「空白」に、検証できない伝聞が入り込んだ。
そこに荒らし被害の報告が重なり、話題がさらに目立ったのだと見ています。
根拠1:どこが問題だったのか、誰も説明できなかった
削除ページに出たのは、「ヌードまたは性的なコンテンツの禁止」というポリシー名だけでした(カイユー)。
制作者自身も、該当箇所は示されていないと説明しています(coki)。
理由がはっきりしないと、人は「誰かが仕掛けたのでは」と物語を探したくなります。
cokiは、チャートの順位をめぐる陰謀を疑う投稿まで出たことを伝えています。
説明の空白が、犯人探しの入り口になったと私は考えます。
しかもINMU KINGは週間チャートの上位に入るほど注目されていた曲です。
注目度が高いほど、理由の分からない削除は「何か裏があるはず」という想像を呼びやすくなります。
根拠2:伝聞が「画像」になって文脈が落ちた
説そのものは10月22日の時点で出回っていたとみられますが(制作者が同日に言及)、最初の発信元は分かっていません。
大きく拡散した根拠は、YouTube上の動画のコメント欄に書かれた一文でした。
根拠として添えられていたのは「そのオプにいる友達が言っているのでほぼ確定」という言葉です。
このコメントの画像は10月23日夕方にXへ投稿され、1万5000件を超えるいいねを集めました(10月25日朝時点)。
画像になると、書き手が誰で、どんな根拠なのかという確かめる手がかりが見えにくくなります。
「ガチ?ネタ?」と問いかける投稿でさえ、結果的に噂を広める役を担ってしまったのです。
根拠3:荒らし被害の報告が、さらに注目を集めた
ミセスファンのLINEオープンチャット運営は声明で、関連コミュニティや複数のチャットで「荒らし行為などの被害が確認されております」と説明しました(オープンチャット運営のX投稿)。
荒らしをしたのが誰なのかは、声明でも示されていません。
それでも、被害が出たという報告が重なると、話題はさらに目立ちます。
真偽が分からないまま「対立が起きている」こと自体がニュースになり、噂の寿命を延ばしたと読めます。
声明が「特定の人物やグループを犯人と決めつけないこと」をお願いの2番目に挙げたのも、この連鎖を止めたかったからだと私は受け止めました。
以上はあくまで予想であり、断定ではありません。
通報がまったくなかったとも、言い切れる材料はありません。
噂の正体:コメント欄の一文が広まるまで
INMU KINGは、生成AIを使って作られた楽曲で、オリコンの週間YouTubeチャートで2位を記録したこともあるヒット曲です(カイユー)。
そのMVが10月22日までにYouTubeから削除されました。
噂として広まった書き込みの要旨は、「約1500人いるミセスのラインのオープンチャットで一致団結して通報した」というものです。
しかし、そのチャットで通報が呼びかけられた画面や記録は、確認できる形では出てきていません。
| 日時(日本時間) | 何が起きたか |
|---|---|
| 10月22日夕方 | 制作者がYouTube版の削除をXで報告 |
| 10月22日 | 制作者が通報説に「懐疑的」と投稿 |
| 10月23日 17時55分 | コメント欄の書き込みの画像がXに投稿される |
| 10月24日 0時13分 | 制作者が「普通にデマだと思う」と投稿 |
| 10月24日 1時08分 | ファンのオープンチャット運営が声明 |
2026年10月25日朝の時点で、YouTube版が復旧したという報道は見当たりません。
噂の見分け方を基本から押さえておきたい方は、フェイクニュースをテーマにした本も参考になります。
▼ フェイクニュースに関する本はこちらから
※新書から入門書まで探せます。在庫はリンク先でご確認ください
制作者とファン側、2つの発信を並べて読む
この件では、名前を出されたファンのコミュニティと楽曲の制作者が、それぞれ騒ぎを広げない方向の発信をしています。
| 発信者 | 主な内容 |
|---|---|
| 楽曲の制作者(10月22日) | 「自分はこの説には懐疑的」。あらゆる方面から通報を受けた可能性を示し、関連アーティストのMVを荒らさないよう呼びかけ |
| 楽曲の制作者(10月24日) | 「内通スクショが一切上がってきてないので普通にデマだと思う」 |
| ファンのオープンチャット運営(10月24日) | 「現時点で原因や関係者について確定した情報はありません」。犯人の決めつけや仕返しをしないよう要請 |
制作者は、「関連するアーティストのMVを荒らすのは控えるようにしてください」と書いています。
名前を出されたアーティストの側を守る呼びかけを、楽曲を消された当人が出した形です。
ファン側の声明は、「特定の人物やグループを犯人と決めつけないこと」や、「反撃や仕返しを目的とした荒らし行為等を行わないこと。」を挙げています。
なお、Mrs. GREEN APPLEの公式サイトのお知らせには、10月25日朝の時点でこの件の掲載は見当たりません。
YouTubeの「通報」はどう処理される?
噂を考えるうえで欠かせないのが、YouTubeの仕組みです。
公式ヘルプの説明を3つに分けて整理します。
- 報告は匿名:誰が報告したかは他のユーザーに開示されない
- 数では決まらない:違反が特定されなければ、報告数にかかわらず動画は残る
- 入口は2つ:利用者の報告と、YouTubeの自動検知機能
出典はYouTubeヘルプ(報告)とYouTubeヘルプ(再審査請求)です。
この仕組みでは、「誰が通報したか」は外から確かめられません。
拡散する前に確かめたい5つのチェックリスト
今回のような「〇〇のファンが犯人」という話は、別の話題でも繰り返し起こります。
シェアする前に、次の5点を見ておくと安心です。
- 根拠は伝聞ではないか(「友達が言っていた」で止まっていないか)
- 当事者本人の発信を見たか(制作者・公式は何と言っているか)
- 仕組み上、確かめられる話か(匿名の通報は外から特定できない)
- 画像の出どころは分かるか(いつ、どこに書かれたものか)
- 無関係の人を巻き込まないか(グループ全体を犯人扱いしていないか)
よくある質問
Q1. 結局、ミセスのファンが消したのですか?
そう言える根拠は確認されていません。拡散した根拠は伝聞の書き込みで、制作者も「普通にデマだと思う」と投稿しています。削除を判断したのはYouTube側です。
Q2. なぜ「約1500人」という数字が出たのですか?
コメント欄の書き込みにそう書かれていたためです。書き込みはチャット名を挙げておらず、どのチャットを指すのか、そこで通報が呼びかけられたのかを示す材料は出ていません。
Q3. 削除の理由は何だったのですか?
削除ページの表示は「ヌードまたは性的なコンテンツの禁止」への違反です。ただし、どの部分が該当したのかは示されていないと制作者は説明しています。
Q4. 声明を出したのはミセスの公式ですか?
いいえ。声明を出したのは、ファンが集まるLINEオープンチャットの運営アカウントです。Mrs. GREEN APPLEの公式サイトには、10月25日朝の時点で関連する掲載は見当たりません。
Q5. YouTube版は戻ってくる可能性がありますか?
制作者は再審査を請求中と報告しています。YouTubeの再審査では、復旧・年齢制限つきの復旧・削除のままのいずれかになると説明されていますが、結果は出ていません。
Q6. 考察の内容は事実ですか?
いいえ。【考察】は、確認できた発信と報道をもとにした編集部の予想で、断定ではありません。
最後に:ファン側は決めつけない、制作者は荒らさない、と呼びかけた
今回の騒動で印象的なのは、ファンのコミュニティが犯人の決めつけをしないよう求め、楽曲の制作者も関連アーティストのMVを荒らさないよう呼びかけたことです。
伝聞の一文が画像になるだけで、確かめられない話が「みんなが言っていること」に見えてしまうのが今回の教訓です。
シェアする前に、当事者の言葉と公式の説明を一度確かめるのが良いでしょう。

コメント