「もう十分と言われた」は伊紙が引用した手紙にない?愛犬カレルの最期の言葉は「ママ、疲れたよ」|6年の意味も原文で照合

    本記事はプロモーションを含みます。

    【結論】「もう十分と言われた」という見出しの言葉は、イタリア各紙が引用した手紙の本文には見当たりません。手紙で愛犬カレルの言葉として書かれているのは「ママ、疲れたよ」です。

    @ghkey02
    • 話題の「喪失」は、女優ジョーリさんの愛犬カレルの死
    • 5媒体の引用本文に「バスタ(もう十分)」という語は0件
    • 手紙の中のカレルの言葉は「ママ、疲れたよ」
    • 「6年」は一緒に過ごした年数。犬の年齢とは書かれていない

    「もう十分だと言われた」。
    そんな言葉とともに、イタリアの女優マティルデ・ジョーリさんの投稿が短い動画で紹介されています。
    けれど、この言葉は本当に手紙に書かれていたのでしょうか。
    この記事では、イタリアの5媒体が引用した本文と一つずつ照らし合わせます。

    Mi hai detto basta

    話題の動画の見出しに使われたイタリア語です。訳すと「あなたは私に、もう十分と言った」となります。

    この記事で分かること
    • 「もう十分」という見出しと手紙の原文の違い
    • その言い回しがどこから来たのか(編集部の予想)
    • 「6年」は年齢か、一緒にいた年数か
    • 9月の投稿と、寄せられた追悼の言葉
    目次

    【考察】「もう十分と言われた」はどこから来た?見出しと原文のずれ

    ここからは編集部の予想です。

    先に答えを書きます。
    「もう十分」は、手紙の2つの文を短くまとめた言い換えだと私は読みます。
    元になったのは、「ママ、疲れたよ」と「手を放した」の2か所です。
    そう考える理由を3つ挙げます。

    理由1:5媒体の引用本文に、その語が1回も出てこない

    イタリアの5媒体の記事を開き、本文に「バスタ(もう十分)」という語があるかを数えました。
    対象は、スカイTG24、ティージーコム24、ディレイ、ビゴディーノ、イル・ディッフォルメの5つです。
    結果は5媒体すべてで0件です。
    たとえばティージーコム24は、手紙を書き出しから結びまでほぼ順番どおりに引用していますが、その中にもありません(ティージーコム24)。
    本人がほかの場で口にした可能性までは否定できません。
    ただ、報道が伝えた手紙の文面には無い言葉だとは言えます。

    理由2:一番近いのは「ママ、疲れたよ」の一文

    手紙には、カレルが最後まで竜のように闘ったと書かれています。
    そのあとカレルが自分を見つめて「ママ、疲れたよ」と言った、と続きます(スカイTG24)。
    さらに、カレルが「手を放した」のは自分が一人で歩けると感じたからでは、という一文もあります。
    「疲れた」と「手を放した」。
    この2つを一言にまとめると、「もう十分だよ」に近い響きになります。
    実際、話題の動画の中でも、この言葉は冒頭の見出しで読み上げられるだけです。
    続く紹介部分では「準備ができていなかった」「成長を助けてくれた」と、手紙に沿った内容が語られています。
    短い動画は数秒で要点を伝える必要があるため、強い一言に寄せたのだと私は見ます。

    理由3:各紙の見出しは、別々の一文を切り取っている

    同じ手紙でも、見出しに選ばれた言葉は媒体ごとに違います。
    スカイTG24は「あなたなしで生きる準備はできていなかった」(スカイTG24)、ディレイは「今は安らかに休んで」を見出しにしました(ディレイ)。
    ティージーコム24は「魂の一部が去っていく」という趣旨の言葉を選んでいます(ティージーコム24)。
    どれも手紙の中の言葉をもとにした見出しです。
    同じ手紙から、悲しみ・祈り・喪失感と、まったく違う一文が選ばれているわけです。
    見出しは切り取り方で印象が変わります。
    そのうえで「もう十分」だけは、どの媒体の引用にも見当たらない。
    だからこそ、手紙そのものに戻って読むことが大切だと考えます。

    なお、編集部は本人のインスタグラムの原文を直接は確認できていません。
    以上はあくまで編集部の予想であり、断定ではありません。

    照合早見表|言われていることと、原文で確かめたこと

    動画や見出しで目にしやすい内容を、イタリア各紙の本文と並べました。

    言われていること原文・報道で確認できたこと判定
    「もう十分と言われた」引用本文にある言葉は「ママ、疲れたよ」本文に見当たらない
    大切な存在を失った愛犬カレルの死(5媒体)確認できる
    6年間そばにいた本人の言葉は「いちばん深い6年」確認できる
    カレルは6歳だった1媒体の要約文のみ。本人は年齢を書いていない未確認
    病気で亡くなった病名・死因の説明はない未確認

    手紙で実際にカレルの言葉として書かれている部分を、原文で示します。
    原文はスカイTG24の引用からで、訳は編集部によるものです。

    Hai lottato come un drago fino alla fine ma poi mi hai guardata e mi hai detto “mamma sono stanco”

    訳:あなたは最後まで竜のように闘った。でもそのあと私を見つめて「ママ、疲れたよ」と言った。

    ジョーリさんの出演作を日本で見るなら、2016年に劇場公開されたデビュー作が手に取りやすい一本です。
    ▼ デビュー作『人間の値打ち』はこちら

    ※取り扱い状況は時期によって変わります

    「6年」は年齢?一緒にいた年数?

    もう一つ食い違いやすいのが、「6年」という数字です。
    手紙の言葉は「あなたは私の人生でいちばん深く、楽しく、意味があり、濃い6年をくれた」でした。
    つまり一緒に過ごした年数を指しています。

    ティージーコム24も、カレルは「この6年間そばにいた」と書いています(ティージーコム24)。
    一方で、ある媒体の要約文には「6歳で亡くなった」と読める一文がありました(ビゴディーノ)。
    ただし同じ記事の本文は、本人の「6年」という言葉を引いています。
    カレルの年齢は、本人の言葉からは分かりません。

    9月の投稿と、寄せられた追悼の言葉

    ビゴディーノによると、ジョーリさんは9月にもカレルについて投稿していました(ビゴディーノ)。
    同紙は、そこに「カレルは犬じゃない、スーパーヒーロー」という言葉があったと伝え、カレルが難しい時期にあったことをうかがわせる投稿だったと書いています。
    何があったのかは、本人は具体的に語っていません。

    別れの投稿には、多くの仲間から言葉が寄せられました。
    ドラマ『ドック』でジョーリさんと共演するサラ・ラッザロさんは、カレルの旅立ちを見送る言葉を書き込んだと報じられています(イル・ディッフォルメ)。
    ほかにも、アレッサンドラ・マストロナルディさんやロマーナ・マッジョーラ・ヴェルガーノさんらの名前が挙がっています(ビゴディーノ)。

    ジョーリさんは1989年9月2日ミラノ生まれの女優です(イタリア語版ウィキペディア)。2013年の映画デビュー作は日本でも『人間の値打ち』として公開され、表記は「マティルデ・ジョリ」でした(映画.com)。

    よくある質問(Q&A)

    Q1. 「もう十分と言われた」は本人の言葉ですか?

    イタリア5媒体が引用した手紙の本文には、その言い回しは見当たりません。
    手紙でカレルの言葉として書かれているのは「ママ、疲れたよ」です。

    Q2. 「喪失」とは誰が亡くなったことですか?

    愛犬のカレルです。
    家族や知人ではありません。本人がインスタグラムに浜辺の写真と手紙を投稿しました。

    Q3. カレルは何歳だったのですか?

    本人は年齢を書いていません。
    手紙の「6年」は一緒に過ごした年数です。「6歳」と読める要約文もありますが、本人の言葉ではありません。

    Q4. カレルという名前の由来は?

    ビゴディーノは、スーパーマンの故郷の星での名前を思わせる名前だと紹介しています。
    ただし、本人が名前の由来を語ったわけではありません。

    Q5. 【考察】は事実ですか?

    いいえ、【考察】は編集部の予想です。
    「もう十分」という言い回しの出どころを、報道の本文から推測したものです。動画の作り手が説明したものではありません。

    Q6. 本人のインスタグラムでも原文を確認できますか?

    投稿は本人のインスタグラムに公開されたと報じられています。
    イタリア語で書かれているため、翻訳機能を使って原文を読むのがいちばん確実です。編集部は、報道に引用された本文で照合しました。

    まとめ|言葉を受け取るときに気をつけたいこと

    • カギ括弧の言葉でも、原文どおりとは限らない
    • 数字は「何の数か」まで確かめる
    • 本人が語っていない死因や病名は推測しない

    短い動画の見出しは、印象に残る一言を選びがちです。
    でも今回のように、報道が引用した本文に見当たらない言葉が、本人の言葉のように出回ることもあります。
    大切な存在との別れの言葉だからこそ、本人が書いたとおりに受け取りたいところです。
    カレルの冥福を祈るとともに、ジョーリさんの心が少しずつ癒えるよう願っています。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    CAPTCHA


    目次