【結論】鹿刺しを個人が食べることを罰する法律は見当たりませんが、国の指針は「生で食べない」を求めています。
自然の中で食べる鹿刺しとビール。
— 飯田 将成 Masanari Iida (@iidamasanari123) September 27, 2026
最高の贅沢 pic.twitter.com/7M2CEemPmr
- きっかけは飯田将成さんの鹿刺し動画(9月27日投稿)
- 豚肉・牛レバーは生食用の販売・提供が法律で禁止
- シカ肉は国のガイドラインで生食用の提供をしないよう定める
- 自分で食べる場合も中心部75℃で1分以上の加熱が目安
「鹿刺しって、そもそも食べていいの?」
元プロボクサーの飯田将成さんが投稿した動画をきっかけに、
こんな疑問を持った人も多いはずです。
この記事では、違法かどうかという一点から話を始め、
ほかの肉とのルールの違いを早見表で整理します。
- 鹿刺しの生食は違法なのかどうか
- 豚・牛レバー・馬・鶏・シカの生食ルール早見表
- 飯田将成さんの動画で何が起きたか
- 家庭でシカ肉を扱うときの注意点
【考察】鹿刺しは違法?「禁止されていない=安全」ではない理由
ここからは編集部の予想です。
先に私の答えを書きます。
鹿刺しは「違法ではないが、国がはっきり止めている食べ方」です。
そして今回の動画が議論を呼んだ本当の理由は、
「法律で禁止されていないなら大丈夫」という思い込みにあると読みます。
根拠は次の3つです。
根拠1:規制の強さが肉の種類でバラバラ
牛レバーは2012年7月から、豚肉は2015年6月から、
生食用としての販売・提供が食品衛生法で禁止されています(神奈川県・中野区)。
どちらも、生で食べると重い食中毒につながるおそれがあるとして、段階的にルールが固められてきました。
ところが野生のシカ肉は、ガイドラインで飲食店に
「生食用として食肉の提供は決して行わないこと」と求める形です(厚生労働省 ガイドライン)。
この位置づけの差が、「自己責任なら」という反論の土台になっています。
根拠2:国内には「生のシカ肉」で発症した記録がある
2003年4月の兵庫県の事例では、生のシカ肉を食べた4人が
6〜7週間後にE型肝炎を発症しました(厚生労働省)。
厚労省はこれを、特定の食品とE型急性肝炎の直接的な因果関係を確認した最初の事例と位置づけています(厚生労働省 E型肝炎Q&A)。
法の網が粗くても、リスクは実例で示されているわけです。
しかも発症まで平均6週間(2〜9週間)かかるため、
「食べた翌日に何ともなかった」という体験談は、安全の裏付けになりません。
根拠3:テレビ番組でも「鹿の刺身」は謝罪案件になった
2022年7月には、TBS系の番組が居酒屋の「シカもも肉の刺身」を紹介し、
生食の危険を指摘されました。
店は実際には加熱して提供していたものの、番組側は誤解を招く表現だったとして謝罪したと伝えられています(coki)。
テレビでも過去に、「鹿を生で食べる姿」が問題視された例があるわけです。
見た人が真似をするかもしれない、という心配は
テレビでもSNSでも同じように起こりうると私は見ます。
影響力の大きい人の投稿ほど、その心配は大きくなるはずです。
この3点から、「違法じゃないから平気」という理屈は通りにくいと考えます。
禁止の有無より、国がどう呼びかけているかで判断するのが現実的です。
以上はあくまで編集部の予想・見解であり、
法的な判断や飯田さんの肉の安全性を断定するものではありません。
肉の種類別・生食ルール早見表
東京都の食品安全Q&Aと厚労省の指針をもとに、
主な肉の生食ルールを一覧にしました(東京都保健医療局)。
| 肉の種類 | 生食のルール |
|---|---|
| 牛肉(内臓以外) | 生食用の規格基準・表示基準あり |
| 牛レバー | 生食用の販売・提供は法律で禁止 |
| 豚肉・豚の内臓 | 生食用の販売・提供は法律で禁止 |
| 馬肉・馬レバー | 生食用の衛生基準あり |
| 鶏肉 | 生食用の基準なし(加熱が前提) |
| シカ・イノシシ | ガイドラインで生食用の提供をしない、自家消費も加熱 |
表で見ると、シカ肉は法律ではなく「指針」で生食用の提供を止めている構図が分かります。
ただし指針の中身は「提供は決して行わない」と強い言葉です。
ゆるいルールではない点に注意してください。
飯田将成さんの動画で何があった?
飯田さんは9月27日、
「自然の中で食べる鹿刺しとビール。最高の贅沢」と書き添えて、
屋外で鹿刺しを食べる動画をXに投稿しました(ENCOUNT)。
表示回数は29日朝に565万回を超えたと報じられています(coki)。
投稿には、野生鳥獣肉の生食にはE型肝炎ウイルスや寄生虫などのリスクがあると説明するコミュニティノートが付きました。
返信欄では「絶対にダメなやつ」と心配する書き込みと、
「猟師さんは捌きたてとか生で食べる人いるし」とかばう書き込みが並んだと紹介されています(ENCOUNT)。
| 投稿者 | 飯田将成さん(1986年生まれ・岐阜県出身の元プロボクサー) |
| 投稿日 | 2026年9月27日 |
| 表示回数 | 565万回超(29日朝の報道) |
| 肉の入手先・処理 | 公表されていない |
| 本人の説明 | 29日時点で確認できず |
肉が許可施設で処理されたものかどうかは分かっていません。
動画だけでは、生か加熱済みかも厳密には判別できません。
この記事は、特定の店や業者を問題視するものではありません。
家でシカ肉を焼くときは、中心温度を測れる温度計があると加熱の目安を守りやすくなります。
▼ 調理用の中心温度計はこちらから
※加熱の目安は中心部75℃で1分以上です
家庭でシカ肉を扱うときの注意点
厚労省は、生や加熱不十分のシカ肉・イノシシ肉には
E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌、寄生虫による食中毒のリスクがあると注意しています(厚生労働省)。
家庭では次の点を押さえておきましょう。
- 中心部75℃で1分以上、またはそれと同等以上の加熱
- 生肉用のまな板・包丁・箸を分ける
- もらった肉でも自家消費でも加熱は同じ
- 妊婦・高齢者は特に生食を避ける
国のガイドラインは、自家消費や譲り受けた肉を食べる場合も同じ加熱を求めています(厚生労働省 ガイドライン)。
「猟師さんから直接もらった新鮮な肉だから」は、加熱を省く理由になりません。
よくある質問
Q1. 飲食店で鹿刺しを出すのは違法ですか?
豚肉のような法律上の提供禁止規定とは位置づけが違いますが、
国のガイドラインは飲食店に生食用として提供しないよう強く求めています。
加熱して出すのが前提です。
Q2. 新鮮なら生でも大丈夫ですか?
新鮮さはウイルスや寄生虫の有無と関係しません。
野生のシカは健康状態が管理されていないため、
鮮度に関係なく加熱が必要です。
Q3. E型肝炎になるとどんな症状が出ますか?
厚労省のQ&Aでは、38℃以上の発熱のあと、だるさや食欲不振、
吐き気、黄疸などが現れるとされています。
潜伏期間は2〜9週間(平均6週間)です。
Q4. 飯田将成さんは動画について説明しましたか?
9月29日時点で、本人からの新たな説明は確認できていません。
肉の入手先や処理方法も分かっていないため、
今後の発信を待つ段階です。
Q5. 【考察】は確定した見解ですか?
いいえ。【考察】は編集部の予想・見解です。
公的資料と報道をもとにしていますが、
法的な判断を示すものではありません。
この先どうなる?
焦点は、飯田さんが肉の処理について説明するかどうかです。
説明があれば議論は落ち着く可能性がありますが、
加熱を求める国の目安は変わりません。
ジビエ人気が続く中で、「おいしく安全に食べる」ための知識は
これからますます大切になりそうです。
まとめ
- 鹿刺しを個人が食べることを罰する法律は見当たらない
- ただし国の指針は生食用の提供をしない・自家消費も加熱
- 豚肉・牛レバーは法律で生食用の販売・提供が禁止
- 2003年には生のシカ肉で4人がE型肝炎を発症
「違法かどうか」と「安全かどうか」は別の話です。
シカ肉はしっかり加熱してこそ楽しめる食材だと覚えておきましょう。
新しい情報が出たら、この記事にも追記します。

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