【結論】次田展之さんのヘリは患者搬送用ではありません。午前に佐木島、午後に百島という時間割を成立させるための足です。
- 操縦しているのはお医者さん本人
- 番組予告では約10キロ先の島へ飛ぶ
- 佐木島=午前10時〜12時、百島=午後2時〜4時
- 月・火・金は両方の島に診療日がある
- 木曜の佐木島は別の病院の医師が担当
- 佐木島診療所は閉校した小学校の校庭の中
- 1日でどう島を回っているのか
- なぜ午前と午後で島が分かれているのか
- 救急のドクターヘリとの違い
- 船だと何分かかるのか
- 時間割がこの形になった理由の予想
2026年8月9日(日)23時15分から、
TBS系「情熱大陸」が次田展之(つぎた のぶゆき)さんを取り上げます。
肩書は「診療所医師・パイロット」。
予告を読むと、ヘリで島へ飛ぶ場面が出てきます。
そこで気になるのが「それは救急でヘリを飛ばしているという意味なのか?」という点。
調べてみると、まったく違う話でした。
【予想】なぜ佐木島が午前で、百島が午後なのか
ここからは当ブログの予想です。
公式サイトに出ている診療時間を眺めていて、
ずっと引っかかっていたのがこの点でした。
佐木島は必ず午前、百島は必ず午後。逆のパターンが1日もありません。
これは偶然ではないと見ています。
見立て1:午前と午後を固定すると「1日2島」が毎回同じ形になる
公式の基本日程はこうです(社会医療法人心海会)。
| 曜日 | 佐木島 | 百島 |
|---|---|---|
| 月 | 10:00〜12:00 | 14:00〜16:00 |
| 火 | 10:00〜12:00 | 14:00〜16:00 |
| 水 | 10:00〜12:00 | 休診 |
| 木 | 9:00〜11:00(別の医師) | 14:00〜16:00 |
| 金 | 10:00〜12:00 | 14:00〜16:00 |
月・火・金は午前が佐木島、午後が百島でぴったり噛み合っています。
間の空き時間は12時から14時までの2時間。
ここに移動と昼が入る計算です。
毎回同じ順番にしておけば、スタッフも島の人も予定を覚えられます。
日によって順番が入れ替わる時間割より、はるかに運用が楽になるはずです。
見立て2:この2時間はヘリでないと埋まらない
佐木島は広島県三原市、百島は広島県尾道市。
間には海があり、どちらの島も本州と橋でつながっていません。
船で移動しようとすると、いったん本土の港へ戻り、別の港へ移動して、また船に乗ることになります。
船は時刻表で動くので、待ち時間も読めません。
2時間で確実に次の島の診察室に立つのは、かなり無理があります。
逆にいえば、ヘリがあるから12時〜14時という枠で足りた。
時間割のほうが先にあって移動手段を選んだのではなく、
移動手段が先にあって時間割を書けた、という順番だと予想します。
見立て3:実際に「診療のあとヘリで移動」した記録がある
3つ目の岩城島診療所が開業した2026年5月11日、
診療所の公式ブログには「佐木島で診療後、岩城島にヘリで移動」と書かれています(百島診療所日記)。
広島県三原市から愛媛県上島町へ。
県をまたいで、午前の診療の後に移動しているわけです。
この日の岩城島の患者数は18人でした。
午前と午後で島を切り替える動き方が、実際に回っている証拠だと思います。
救急のドクターヘリとは目的が逆
いちばん誤解されやすいのがここです。
| ドクターヘリ | 次田さんの場合 | |
|---|---|---|
| 目的 | 救急現場へ急行し患者を搬送 | 診療所へ出勤する |
| 操縦 | 専門の操縦士 | 医師本人 |
| 飛ばない日 | 出動がない平穏な日 | 外来が開かない日 |
日本経済新聞の連載では、プロペラの音が診療所の開く合図になっているという書き出しで紹介されていました(日本経済新聞)。
島の人にとって、あの音は「今日は先生が来た」というお知らせなんですね。
船で島へ行くとどうなる?
公式サイトのアクセス情報から、船のルートを拾ってみます。
- 百島:備後商船フェリー「百風」または高速船「ニューびんご」。福田港から徒歩20分、車なら5分
- 佐木島(三原発):土生商船。佐木港から車で15分
- 佐木島(須波発):弓場汽船フェリー。向田港から車で5分
- 佐木島(尾道駅前発):瀬戸内クルージング「シトラス」。須ノ上港から車で10分
佐木島だけで3つの航路があり、着く港もバラバラ。
そこからさらに車で5〜15分かかります。
島の人が本土の病院へ通うのが大変だった、というのがよく分かる構成です。
診療所が「旧小学校の校庭」にある
細かい話ですが、印象に残った事実がひとつ。
佐木島診療所の住所は広島県三原市鷺浦町向田野浦1712で、
公式サイトには「旧向田小学校の校庭の中です」と書かれています。
駐車場は10台分。
学校が閉じた島に、あとから診療所が入っている。
島で何が減って、何が必要とされたのかが1行で分かる住所だと思いました。
注意しておきたいこと
毎日3つの島に飛んでいるわけではない
百島は水曜・土日祝が休診、佐木島は土日祝が休診です。
また岩城島診療所の診療日程は、記事作成の時点では法人サイトの日程ページに掲載されていませんでした。
表の時間はあくまで「基本の日程」
公式サイトには基本の日程とは別に診療カレンダーがあります。
受診を考えている方は、必ず最新のカレンダーを確認してください。
Q&A
Q1. ヘリは何のために飛ばしているの?
次田さん自身が診療所へ行くためです。橋のない島に診療所があるので、船を乗り継ぐ代わりに空から通っています。番組予告では約10キロ先の島へ飛ぶ様子が紹介されています。
Q2. 患者さんを乗せることはあるの?
公開されている情報の範囲では、患者搬送の記述は確認できませんでした。あくまで医師が移動するための手段として紹介されています。
Q3. 1日にいくつの島を回るの?
診療時間の並びからは1日2島が組めます。月・火・金は午前が佐木島、午後が百島。2026年5月11日には佐木島から岩城島へ移動した記録もあります。
Q4. 木曜だけ時間が違うのはなぜ?
木曜の佐木島はJA尾道総合病院の医師が担当するためです。この日だけ診療時間が9時〜11時になります。公式サイトに注記されています。
Q5. 診療所の場所を教えてください
百島診療所は広島県尾道市百島町972、佐木島診療所は広島県三原市鷺浦町向田野浦1712(旧向田小学校の校庭内)です。岩城島診療所は愛媛県越智郡上島町にあります。
Q6. 放送はいつ?
2026年8月9日(日)23時15分〜23時45分、TBS系での放送予定です。制作はMBS毎日放送です。
放送後に気になりそうなこと
2026年5月に岩城島診療所が加わり、広島県の2市と愛媛県の1町にまたがる体制になりました。
県境を越える通勤を毎週こなしている医師は、そう多くないはずです。
放送後に注目が集まりそうなのは、「この形は他の島でも真似できるのか」という点だと予想します。
ヘリは持っているだけでお金がかかります。
小さな診療所3つでそれを支える仕組みが成り立つのかどうか。
日本経済新聞の連載でも、離島医療を続けられる形にすることがテーマになっていました。
番組でそのあたりが語られるかもしれません。
これは予想なので、外れる可能性もあります。
おわりに
次田展之さんのヘリは、救急搬送のためではなく診療所へ通うための足でした。
島の人にとっては、プロペラの音が診療開始の合図になっています。
公式の診療時間は佐木島が午前、百島が午後で固定。
月・火・金は両方に診療日があり、間の2時間で島を移動する形になっています。
この記事では「時間割はヘリを前提に逆算されたのでは」という予想を書きました。
答え合わせは8月9日の放送で。

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