浮気動画の顔出し公開は投稿した側も罪に問われうる|関係する3つの法律を条文で確認

    本記事はプロモーションを含みます。

    【結論】仮に相手に落ち度があっても、撮影対象者を特定できる性的な映像を公開すれば、公開した側が罪に問われる可能性があります。

    @kurachanofficial

    こんびにこ「婚約者が 俺の家で男と浮気」 7分半の現場映像を公開こんびにこ#デスドル#ユーチューバー#くらちゃん#ニュース

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    この記事で分かること
    • 報道で確認できている事実と、確認できていない事実
    • 顔が分かる性的な動画の公開に関わる法律と、その罰則
    • 「本当のことなら大丈夫」が通らない理由
    • 刑事と民事、それぞれで何が起きうるのか

    登録者50万人超のYouTuberこんびにこさんが、
    婚約者の不貞行為を告発する投稿をしたことで、
    SNSで大きな話題になりました。
    同時に浮上したのが「証拠だとしても、そこまで公開していいのか」という論点です。
    条文をひとつずつ確認していきます。

    目次

    【考察】浮気動画の顔出し公開は、これからどう扱われるのか

    ここからは編集部の予想です。

    結論から言います。
    この種の「晒し」は、公開した側が責任を問われる方向へ動いていくと読みます。
    そう予想する理由を4つ挙げます。

    理由1:専用の法律が、すでに用意されているからです。
    「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」の第3条第1項は、第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて不特定または多数の者へ提供した者3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定めています(e-Gov法令検索)。
    同法第2条が定義から外しているのは、撮影対象者が「第三者が閲覧すること」を認識したうえで任意に撮影を承諾し、または撮影をした画像だけです。
    撮影対象者がそれを認識していなかった場合、この除外には当たらない可能性が残ります。

    理由2:「本当のことだから」は反論になりません。
    刑法第230条第1項は、公然と事実を示して人の名誉を傷つけた者を「その事実の有無にかかわらず」3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定めています(e-Gov法令検索)。
    第230条の2に免責の道はありますが、公共の利害に関する事実で、目的が専ら公益で、真実だと証明できた、の3つがそろって初めて成立します。
    私人同士の恋愛のもつれで、この3つを満たすのは簡単ではありません。

    理由3:刑事とは別に、民事の請求が走ります。
    民法第709条は故意・過失で他人の権利を侵害した者に賠償責任を負わせ、
    第710条は財産以外の損害、つまり精神的な苦痛にも賠償が必要だと定めています(e-Gov法令検索)。
    刑事で起訴されなくても、民事の慰謝料は別に請求できる構造です。
    告訴の有無に関係なく動かせる点が、この条文の重さです。

    理由4:削除する側の責任を軽くする条文があります。
    私事性的画像記録法の第4条は、撮影対象者から送信防止措置の申出があり、事業者が発信者へ照会し、発信者が照会を受けた日から二日を経過しても同意しない旨の申出をしなかったときは、その措置で発信者に生じた損害を賠償しなくてよいと定めています(e-Gov法令検索)。
    事業者の賠償責任を限定する仕組みが用意されているわけです。
    実際に消えるかどうかは、事業者や個別事情によります。

    4つを重ねると、「相手が悪いから何をしてもいい」という理屈は法律上とれないと考えます。
    ただし、これはあくまで予想です。
    今回の件で、当事者のどちらかが法的手続きに入ったという発表は確認できていません

    報道で確認できていること

    日刊スポーツによると、こんびにこさんは2026年8月14日までにXを更新し、
    婚約者だという女性の不貞行為を告発しました(日刊スポーツ/同日11時35分配信)。

    投稿には「ガチできしょい。仕事から帰ったら婚約者が俺の家で男と浮気してた」とあります。
    経緯については「怪しいこと続いてたから『仕事で大阪行く』って嘘ついて、近くで仕事しながら、婚約者に内緒でペットカメラ仕掛けて映像確認してました」と説明しています。

    項目内容
    本人YouTuberこんびにこ(登録者50万人超)
    投稿2026年8月14日までにXで告発
    撮影の経緯出張と偽り、自宅にペットカメラを設置したと本人が説明
    公開されたもの約7分半の映像
    報道日刊スポーツ(8月14日11時35分配信)ほか

    相手の女性の氏名・職業・容姿については、本記事では扱いません。争いのある私的なトラブルであり、一方の当事者の説明だけを根拠に個人を特定できる形で書くことは避けます。

    法律①|顔が分かる性的な映像の公開

    いわゆるリベンジポルノ防止法と呼ばれる法律です。
    正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」で、
    2014年(平成26年)に成立しました。

    • 対象=性交・性交類似行為などが写った画像(第2条)
    • 条件=第三者が撮影対象者を特定することができる方法で提供すること
    • 罰則=3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第3条第1項)
    • 親告罪=告訴がなければ起訴できない(第3条第4項)

    ポイントは「相手が浮気していたかどうか」を条文が一切問題にしていないことです。
    撮った理由や動機は、条文上の要件に含まれていません。

    また、渡した側にも規定があります
    第3条第3項は、前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録またはその記録物を提供した者に
    1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を定めています。
    ただし拡散した人が誰でもこの条項に当たる、という意味ではありません

    ネットのトラブルは、起きてから調べると手遅れになりがちです。
    削除請求や発信者情報開示の手順をまとめた実用書も出ているので、
    気になる方は一冊手元に置いておくと動きやすくなります。

    ▼ ネットトラブルの法律書はこちらから

    ※法改正の反映状況は本によって異なります。発行年をご確認ください。

    法律②|名誉毀損は「事実でも」問題になりうる

    刑法第230条第1項は、こう定めています。
    「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov法令検索)。

    条文が問題にしているのは「公然と事実を摘示」して名誉を毀損したことです。
    そのため内容が真実であっても、名誉毀損の問題になり得ます
    「嘘は書いていない」は、それだけでは反論になりません。
    実際に成立するかは、要件と個別の事情で判断されます。

    免責は第230条の2に置かれていますが、条件は3つそろう必要があります。

    条件中身
    公共性公共の利害に関する事実であること
    公益目的目的が専ら公益を図ることにあったこと
    真実性事実の真否を判断し、真実の証明があったこと

    条文にある「専ら」という言葉が重いところです。
    公共性・公益目的・真実性のいずれも、個別の事情を踏まえて判断されます
    なお名誉毀損も親告罪で、告訴がなければ起訴できません(第232条)。

    法律③|民事の損害賠償は別枠で走る

    刑事で立件されなくても、民事は別です。
    民法第709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定めます(e-Gov法令検索)。

    続く第710条は、身体・自由・名誉の侵害や財産権の侵害を問わず、財産以外の損害も賠償しなければならないと定めています。
    これが慰謝料の根拠条文です。

    つまり、告訴されなくても訴訟は起こせます
    仮に不貞行為が法的に認められればその側への慰謝料請求が通りうる一方で、
    公開した側も別の請求を受けうる——両方が同時に成り立つ場面です。

    誤解しやすい点・注意したいこと

    まず、本記事は特定の誰かが罪を犯したと述べるものではありません
    どの条文に当たるかは、映像の中身・公開範囲・特定可能性など個別の事情で変わります。
    判断するのは捜査機関と裁判所です。

    次に、証拠を残すことと、公開することは別です。
    不貞の慰謝料請求では証拠が要りますが、
    その証拠を裁判所ではなくSNSへ出した瞬間、別の問題が発生します
    目的が違えば、必要な行動も違います。

    もう一点、親告罪だから安全、ではありません
    告訴されるかどうかは相手次第で、時間が経ってから動くことも十分あります
    民事の請求に至っては、告訴の有無と関係なく可能です。

    Q&A

    Q1. 浮気の証拠なら公開しても問題ないのですか?

    条文は公開した動機を要件にしていません。私事性的画像記録法は「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」での提供を、刑法第230条は「その事実の有無にかかわらず」公然と事実を摘示して名誉を毀損したことを問題にします。証拠であることは、それだけでは免責の理由になりません。

    Q2. 顔にモザイクをかければ大丈夫ですか?

    条文の要件は「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」かどうかです。顔を隠しても、名前・勤務先・状況の説明などから特定できる場合は、要件を満たす可能性が残ります。加工の有無だけで線引きされる仕組みではありません。

    Q3. 拡散しただけの人も責任を負いますか?

    同法第3条第3項は、前二項の行為をさせる目的で私事性的画像記録またはその記録物を提供した者に1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を定めています。拡散した人がすべて該当するわけではありませんが、名誉毀損は「公然と事実を摘示」した行為が問題になるため、元の投稿者でなくても無関係とは言い切れません。

    Q4. 「拘禁刑」とは何ですか?

    懲役と禁錮を一本化した刑で、2025年6月1日から施行されています。この記事で挙げた条文も、現行の条文ではいずれも「拘禁刑」表記です。古い解説記事では「懲役」と書かれていることがあるため、読むときは施行日にご注意ください。

    Q5. 不貞をした側は責任を問われないのですか?

    不貞行為は民法第709条の不法行為にあたりうるため、慰謝料請求の対象になり得ます。一方で、不貞行為そのものを処罰する条文は現行の刑法に見当たりません。歴史的な経緯(姦通罪の廃止時期など)までは本記事で確認していないため、断定は避けます。

    Q6. この記事の考察は法律の専門家の見解ですか?

    いいえ、【考察】は編集部の予想です。執筆者・編集部は法律の専門家ではありません。条文はe-Gov法令検索の現行条文を引用していますが、あてはめの判断は個別の事情で変わります。実際にトラブルを抱えている方は、弁護士など専門家にご相談ください

    今後の見通し

    現時点で、当事者のどちらかが刑事告訴や民事訴訟に踏み切ったという発表は確認できていません
    親告罪は告訴がなければ起訴できない仕組みのため、
    外から動きが見えないまま時間が過ぎることもあります。

    一方で、「公開する側のリスク」に目が向いたのは、この騒動の副産物だと感じます。
    議論は不貞をした側への非難に集中しがちでした。
    条文が知られるほど、投稿前に立ち止まる人は増えていきそうです。

    裁判になった場合、公開の必要性や方法の相当性が論点の一つになりそうです。
    「他に手段はなかったのか」
    「特定できる形にする必要はあったのか」
    ——ただし具体的な争点は、個別事情によって変わります。

    まとめ

    • 私事性的画像記録法は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
    • 名誉毀損は「事実の有無にかかわらず」成立しうる
    • 民法第709条・第710条で慰謝料の請求は別に走る
    • いずれも公開した側の動機は要件になっていない

    条文を並べて見えてくるのは、法律が「誰が悪いか」より「何をしたか」で線を引いているという点です。
    相手の落ち度は、公開行為の免責事由として条文に書かれていません。

    怒りが正当でも、取る手段によっては立場が入れ替わります
    証拠は残す場所を選ぶ——今回の騒動が示したのは、そこだと考えます。

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