【結論】折井ブルーは銅を化学変化させて出す青で、塗料ではありません。
色の正式名称は「斑紋ガス青銅色(はんもんガスせいどうしょく)」。
アンモニアガスで銅を変色させて作ります。
作っているのは富山県高岡市のモメンタムファクトリー・Oriiです。
- 正式な色名は斑紋ガス青銅色
- 青くする方法はアンモニアガスによる変色
- 使う材料は米ぬか・食塩・硫黄・日本酒・食酢など
- 塗るのは1mm以下の圧延銅板/2000年ごろに成功
- いまは50種類以上の色が出せる
- 放送は8月29日(土)朝5時20分・テレビ朝日
- 折井ブルーの正体
- 色をつける7つの手順
- もとになった伝統技法
- 体験できる場所と料金
テレビ朝日「日本のチカラ」の2026年8月29日(土)朝5時20分の回では、
「折井ブルー」という青が紹介されます。
番組情報には「鮮やかな青が特徴」としか書かれていないので、
その中身を先に押さえておきます。
【予想】この青が海外まで届いた理由
ここからは編集部の予想です。
青い金属板そのものは珍しくありません。
塗装すれば作れますし、そのほうが安く済みます。
それでも折井ブルーはパリの店や東京の商業施設で採用されました。
結論を先に言うと、
「同じ模様が二度と出ないから」だと予想します。
ポイント1:色が表面に乗っていない。
折井ブルーはアンモニアガスによる変色で生まれます。
別の材料を被せているわけではありません。
色が銅そのものの一部になっているため、剥がれるという概念がありません。
ポイント2:名前に「斑紋」が入っている。
斑紋とはまだら模様のことです。
均一に仕上げないことが、最初から色名に織り込まれています。
1枚ごとの違いが欠点ではなく特徴になっている点が大きい。
ポイント3:出せる色数が多い。
日経ビジネスによれば、圧延銅板への着色技術によって50種類以上の発色が可能になりました。
青だけの工房ではありません。
設計する側が色を選べる状態になっています。
ポイント4:板だから使い道が広い。
鋳物は形が固定されますが、板なら切る・曲げる・貼るができます。
実際、用途は生活雑貨からインテリア建材まで広がりました。
1mm以下の板にしたことが市場を変えています。
ポイント5:建築の売上が半分を占める。
Discover Japanによれば、建築資材としての売上が全体の約50%。
雑貨より1件あたりの規模がはるかに大きくなります。
面積で売れる商品になったということです。
ポイント6:使われた場所が名刺になる。
六本木ヒルズの展望台、高級ホテル、レストラン、オフィス、商業施設。
パリのセレクトショップ「Fleux」とのコラボレーションもありました。
実績が次の引き合いを呼ぶ循環に入っています。
ポイント7:材料が安いのに真似しにくい。
使うのは米ぬか・食塩・硫黄・日本酒・食酢といった身近なものです。
設備で差がつくなら資本で追いつけますが、
差がつくのが配合と炎の温度だと、簡単には追いつけません。
ポイント8:作れる職人が増えている。
Discover Japanによると、職人は10年前の5名から12名へ増え、
平均年齢は55歳から35歳に若返りました。
一人の腕に依存していないことが、量を受けられる理由だと予想します。
以上はあくまで編集部の予想・推測です。
工房が理由をこう説明しているわけではありません。
色をつける7つの手順
モメンタムファクトリー・Oriiでは着色体験が行われています。
そこで踏む手順が、そのまま折井ブルーの作り方の入口です。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | やすりで銅板を磨く |
| 2 | 稲穂や米ぬかを銅板に塗る |
| 3 | バーナーで銅板が赤くなるまで焼く |
| 4 | 水で冷ます |
| 5 | 緑青を出す薬品を3回くり返し塗る |
| 6 | 化学反応で色を定着させる |
| 7 | コーティングして仕上げる(工房側) |
いちばんの山は手順5です。
薬品を「塩梅絶妙」に3回くり返すと説明されています。
1回で決めず、重ねながら様子を見るやり方。
同じ板が2枚とできないのは、ここが理由です。
▼ 銅のうつわ・コースターを見るならこちら
※Oriiの製品とは限りません。銅の道具を探す入口です。
もとになった高岡銅器の伝統技法
| 技法 | 使うもの |
|---|---|
| 糠焼(ぬかやき) | 米ぬかに食塩・硫黄を混ぜて焼く |
| 鉄漿(おはぐろ) | 日本酒と食酢に鉄屑を漬けた溶液 |
| 煮色(にいろ) | 硫酸銅と炭酸銅の混合液 |
3つとも、材料は台所にありそうなものばかりです。
米ぬか、食塩、日本酒、食酢。
高価な原料は出てきません。
折井ブルーは、これらを応用・発展させて生まれました。
折井宏司さんが調整したのは薬品の配合と炎の温度。
材料ではなくさじ加減が技術という世界です。
もうひとつの代表色が「斑紋孔雀色」。
こちらは真鍮に施すもので、赤・黄・青が複雑に混じります。
孔雀の羽のような色合いから、この名前がつきました。
なぜ「板」に着色したのか
高岡銅器の着色は、本来鋳物――つまり立体に施すものでした。
折井さんが取り組んだのは1mm以下の圧延銅板です。
産地の中に前例がありませんでした。
成功したのが2000年ごろ。
ここから用途が一気に広がります。
板であれば切って曲げて貼ることができるので、
壁材・カウンター・什器といった建築の世界に入っていけました。
| 東京 | 六本木ヒルズ展望台 |
| 宿泊・飲食 | 高級ホテル、レストラン |
| 商業 | オフィス、商業施設 |
| 海外 | パリのセレクトショップ「Fleux」とのコラボ |
| ファッション | FUMIKODAのアクセサリー(2024年にジル・バイデン大統領夫人へ) |
| 製品 | 「tone」シリーズ(ランプシェード・タンブラー等)、「ORII MARBLE」 |
「ORII MARBLE」は2017年のグッドデザイン賞を受賞しています。
伝統工芸としてではなく、デザインの素材として評価された受賞です。
着色体験の情報
| 銅板コースター体験 | 3,000円 |
| 銅板トレイ体験 | 4,000円 |
| 開催日 | 毎週土曜日(工場見学は第3土曜日のみ) |
| 所在地 | 〒933-0959 富山県高岡市長江530 |
| 営業時間 | 10:00〜17:00 |
| 定休日 | 日曜・祝日、盆休み、年末年始 |
| 電話 | 0766-23-9685 |
| 駐車場 | 無料 |
よくある質問
「折井ブルー」と「Oriiブルー」は違いますか?
同じものです。
番組情報は「折井ブルー」、工房や工芸メディアは「Oriiブルー」と書いています。
正式な色名は斑紋ガス青銅色です。
青いペンキを塗っているのですか?
いいえ。
アンモニアガスによる変色です。
銅そのものが化学反応で青くなっています。
なぜ米ぬかが出てくるのですか?
糠焼(ぬかやき)という高岡銅器の伝統技法だからです。
米ぬかに食塩と硫黄を混ぜて焼くと、
銅の表面に独特の色と模様が現れます。
まったく同じ柄は作れますか?
できません。
「斑紋」の名のとおり、模様は1枚ごとに変わります。
青以外の色もありますか?
あります。
50種類以上の発色ができると報じられており、
真鍮に施す斑紋孔雀色などもあります。
個人で買えますか?
ランプシェードやタンブラーなどの「tone」シリーズがあります。
着色体験に参加して自分の1枚を作る方法もあります。
まとめ
- 折井ブルーの正式名は斑紋ガス青銅色
- 青くする方法はアンモニアガスによる変色
- もとになったのは糠焼・鉄漿・煮色の3技法
- 対象は1mm以下の圧延銅板/2000年ごろに成功
- 体験はコースター3,000円・トレイ4,000円(毎週土曜)
- 放送は8月29日(土)朝5時20分/テレビ朝日
参照リンク
- Discover Japan「伝統工芸士 折井宏司 モメンタムファクトリー・オリイ」(斑紋ガス青銅色・斑紋孔雀色・伝統技法・採用事例・職人数・建築資材の比率)
- とやま観光ナビ「『モメンタムファクトリー・Orii』で高岡銅器の着色体験!」(工程・料金・開催日・所在地・営業時間・電話)
- doors TOYAMA「世界への道を切り拓いた『Oriiブルー』。」(薬品の配合と炎の温度・2000年ごろの成功)
- KOGEI STANDARD「モメンタムファクトリー・Orii」(糠焼き・鉄漿の内容・toneシリーズ・ORII MARBLE)
- 日経ビジネス(2000年の圧延銅板着色・50種類以上の発色)
- 番組表.Gガイド「日本のチカラ」2026年8月29日(テレビ朝日番組情報)

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