【結論】飲むと浮き出るあの氷結の凸凹。生みの親とされるのが大塚一男さん(東洋製罐グループ会長)です。
- 出演番組はテレビ東京「カンブリア宮殿」、2026年8月13日(木)23:06から
- 読み方は「おおつか いちお」。かずお、ではありません
- 形のルーツをたどると超音速機の壊れ方の研究に行き着く
- 丈夫さ3倍、軽さ3割を同時に達成した加工
- この缶は2002年に業界賞を受賞している
- 大塚一男さんという人の素性と数字入りの経歴
- 凸凹の形が宇宙開発から降りてきた経緯
- 公式が自ら書き残している「失敗の記録」
- 技術畑の人が会長席に座った理由の予想
氷結の缶を飲み進めていくと、
いつのまにか表面にダイヤ型のデコボコが浮かんでいる。
あれを不思議に思ったことのある人へ向けた記事です。
2026年8月13日、
テレビ東京「カンブリア宮殿」にその缶を手がけた人物が出ます。
東洋製罐グループホールディングス会長・大塚一男さんです。
放送前に押さえておきたい情報をまとめました。
【予想】技術畑の大塚さんが会長席にたどり着いた本当の理由
ここからは編集部の予想です。
先に言ってしまうと、
大塚さんの評価点は「発明の派手さ」ではなく「商売として成立させる手つき」にあると予想します。
公開されている開発の記録を追うと、ひらめきの物語よりも地味な判断のほうが目につくためです。
根拠を6点に分けて並べます。
根拠1:スタート地点がお金の話だった。
1980年代のはじめ、東洋製罐グループの研究部門がこの形に目をつけた動機は缶を軽くすることだったと会社側が説明しています(東洋製罐)。
格好よさではなく材料代を減らすという動機です。
技術者の関心の置き場所として、これは経営寄りだと言えます。
根拠2:やめる決断をしている。
同じページには、最初は3ピース缶で作ろうとしたものの接合部の品質が保てず、2年で一度あきらめたと書かれています。
企業の技術紹介で失敗を消さずに残しているのは、かなり珍しいことです。
止める判断ができる人だった、と読み取れます。
根拠3:他人の技術に相乗りした。
いったん頓挫した構想が形になったのは、継ぎ目のない2ピース陰圧缶「TULC」が世に出てきたからだと会社は書いています。
自分の案を守り抜いたのではなく、使える土台が現れた時に迷わず移したということです。
根拠4:ひとつの加工で二度おいしい。
この缶は内側へのへこみに耐える力が普通の3倍あり、3割軽くしても同じ性能を保てます。
加えてアルミ版では、開けた瞬間に模様が浮き出るという売り場での仕掛けにもなりました。
原価と宣伝の両方に効く。これは経営者に説明しやすい成果です。
根拠5:外部のお墨付きがある。
2002年、キリンチューハイ氷結果汁(今の氷結)で製品になったアルミ製のこの缶が、第26回木下賞・研究開発部門に選ばれています(東洋製罐)。
身内の評価ではない実績は、社内で人を引き上げる時の材料になります。
根拠6:同じやり方を今も続けている。
番組側は、大塚さんが容器の技術を医療の世界へ持ち込んでいると紹介しています(テレビ東京)。
同社は細胞培養向けの製品群「CELLSOLUT」を実際に展開中です。
ある場所で育った技術を別の場所へ運ぶという動き方は、昔の乗り換えとそっくりです。
以上から予想すると、
放送で語られる話の中心はゼロから生む方法ではなく手持ちの技術の行き先を増やす方法になるのではないでしょうか。
もちろんこれは予想であり、実際の放送とは違う可能性があります。
大塚一男さんの素性を数字で見る
本人のプロフィールは、東洋製罐グループが運営する「OPEN UP! PROJECT」に載っています。
| 読み方 | おおつか いちお |
| 誕生日 | 1959年11月24日(昭和34年) |
| 放送時の年齢 | 66歳 |
| 出身 | 秋田県。地元紙は秋田市出身と報じている |
| 大学 | 慶応義塾大学工学部機械工学科(1983年卒) |
| キャリア | 1983年に東洋製罐へ入社、現在は取締役会長 |
生年月日と学歴は東洋製罐グループ公式、
出身が秋田市であることは秋田魁新報の記事によります。
2024年2月の同紙記事ではグループは17カ国94社、連結でおよそ2万人と紹介されていました。
形のルーツは宇宙開発の現場にあった
この缶の面白さは、
飲み物とまったく関係ない場所から降りてきた形だという点にあります。
会社の技術解説によれば、たどり着く先は1960年代後半、三浦公亮先生の「PCCPシェルコンセプト」です。
三浦先生はそのころNASAの研究所にいて、超音速機の胴体がどう壊れるかを調べていました。
いろいろな筒がつぶれた姿を見ているうちに、
そこに現れる幾何学模様の美しさに引き込まれたそうです。
やがて、壊れた形のほうがある向きの力に対しては壊れていない筒よりずっと強いと気づきます。
水に沈めた実験がとにかく分かりやすい
公式が載せている比較実験の数字がなかなか強烈なので紹介します。
厚みの同じ空き缶にふたをして水に沈め、水圧にどこまで耐えるかを見たものです。
| 缶 | へこみ始める深さ | 15mでの様子 |
|---|---|---|
| 加工なしの普通の缶 | 8m | 完全につぶれる |
| ダイヤ加工した缶 | 30m | 変化なし |
この差が3倍の強さという表現の中身です。
強度に余裕ができれば板を薄くできるので、
従来より3割軽くしても性能は同じという結果につながりました(同社製品との比較)。
量産の場面も印象的です。
1号機が1分間に1500缶のペースで動き出した時の気持ちを、公式は「云うに尽くせないもの」と書いています。
技術ページとしては珍しく、書き手の感情が漏れている一節です。
なぜ開けると模様が出てくるのか
飲んだ人の多くが引っかかるポイントですが、理屈は単純でした。
- 未開封のうちは炭酸ガスが内側から缶の壁を押しているので模様が目立たない
- 開けるとガスが抜け、押す力が消えて加工した形が表に出る
- アルミの光の反射が加わり、冷たそうな印象を強める
受賞時の発表文では、この効果を「飲む人々に驚きと遊び心を提供いたします」と説明しています。
あわせて、凸凹があることで缶をつかみやすいバリアフリー商品だとも書かれていました。
先に断っておきたい3つのこと
ひとつ。「大塚さんの発明」と断言できるかどうか。
東洋製罐の技術ページには個人名が一切出てきません。書かれているのは「綜合研究所の研究員」までです。
大塚さん本人と結びつけているのは番組公式と、2020年5月14日付の@DIMEの記述になります。
ふたつ。肩書きが古いまま出回っています。
検索すると「大塚一男社長」という表記が大量に出てきますが、
公式の役員一覧では取締役会長。代表取締役社長は中村琢司さんです。
みっつ。学部の呼び方です。
公式プロフィールの表記は「工学部機械工学科」。本記事もその表記に合わせていますが、慶応義塾大学の工学部は現在の理工学部にあたる組織であり、卒業年次によって呼び方が変わる点はご承知ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 名前は何と読むのですか
おおつか いちおと読みます。
「かずお」と読んでしまいがちですが、東洋製罐グループ公式のプロフィール欄にふりがなが振られています。
同姓同名の別人と取り違えないためにも、読みで覚えておくと安全です。
Q2. この缶は氷結専用ですか
賞を取ったのはキリンチューハイ氷結果汁(現・氷結)で製品化されたアルミ製のものです。
ただし受賞発表では「今後、これらの特徴を活かして、さまざまな飲料への展開を目指します」とあり、特定の商品に限った技術という扱いではありません。
Q3. 木下賞はどういう賞ですか
日本包装技術協会の賞で、同協会2代目会長だった故・木下又三郎氏の功績にちなみ昭和52年に創設されました。
部門は「研究開発」と「改善合理化」の2つ。東洋製罐は包装技術に関する国内唯一の賞と紹介しています。
Q4. 会社の規模はどのくらいですか
公式によると、持株会社に加えて子会社86社(連結74社・非連結12社)と関連会社7社という構成です(2025年3月末時点)。
持株会社単体の従業員は495名ですが、連結だと18,830名になります(2025年3月31日時点)。
Q5. 医療分野の展開とは何をしているのですか
細胞培養に関わる製品群「CELLSOLUT(セルソリュート)」を手がけています。
公式サイトには閉鎖系の培養バッグ「ウェルバッグS」「ウェルバッグL」が並び、2D培養向けの製品も開発中と記載されています。
Q6. 放送を見逃したらどうなりますか
カンブリア宮殿は放送後に見逃し配信が用意されることが多い番組ですが、
配信の有無や期間は回によって変わります。
確実なのは番組公式サイトで告知を確認することです。
まとめ
氷結の凸凹缶を作った人物として番組が紹介するのは、
東洋製罐グループホールディングス取締役会長・大塚一男さんでした。
1959年生まれの秋田県出身、1983年に大学を出てそのまま東洋製罐へ入った技術者あがりの経営者です。
あの形の出どころはNASAでの破壊研究にさかのぼり、
丈夫さ3倍・軽さ3割という実利と、開けた瞬間の驚きを一度に手に入れました。
2002年には木下賞の研究開発部門にも選ばれています。
放送日は2026年8月13日(木)23時06分から、テレビ東京です。
缶を1本冷やしてから見ると、画面の見え方が少し変わるかもしれません。

コメント