横綱が負け越したらどうなる?降格なし・引退勧告の仕組みと両横綱7勝6敗の現状

    【結論】横綱は負け越しても番付が下がることはありません。ただし横綱審議委員会から「激励」「注意」「引退勧告」を受ける対象になります。

    大相撲名古屋場所13日目(2026年7月24日)を終えて、横綱・豊昇龍と横綱・大の里がそろって7勝6敗という星になりました。残り2日で2連敗すると、横綱としては極めて珍しい「皆勤しての負け越し」が現実味を帯びます。

    そこで検索が集まっているのが「横綱 負け越し」というワードです。この記事では、横綱が負け越すと番付や地位がどうなるのか、過去に前例はあるのか、そして両横綱が今どういう状況に置かれているのかを整理します。

    • 横綱に降格はない。負け越しても大関に落ちることはない
    • その代わり横綱審議委員会の「激励」「注意」「引退勧告」という措置がある
    • 15日制で横綱が皆勤して負け越した例は過去2例だけ
    • 13日目終了時点で豊昇龍・大の里はともに7勝6敗。1勝すれば勝ち越しが決まる
    • 負け越しはまだ確定しておらず、14日目と千秋楽の結果次第

    今場所の優勝争いと、横綱を破った関脇については別記事でまとめています。

    目次

    【考察】横綱が負け越したら引退になるのか?両横綱の進退を予想

    ここからは編集部の予想です。公表されている事実をもとに読み解いたもので、協会や関係者の発表ではありません。

    今場所で豊昇龍・大の里のどちらかが負け越したとしても、引退勧告までは出ない。出るとしても「激励」にとどまる。私はこう読んでいます。

    理由1:過去2例でも引退勧告は出ていない

    1949年夏場所以降、横綱が皆勤して負け越したのは1989年秋場所の大乃国(7勝8敗)と、1999年秋場所の3代目若乃花(7勝8敗)の2例だけと報じられています(東スポWEB)。

    注目したいのは、この2人が負け越した場所の直後に引退勧告を受けてはいないという点です。どちらもその後、土俵に上がり続けています。つまり「横綱の負け越し=即引退」という運用には、歴史的になっていません。前例が2つとも同じ方向を向いている以上、今回だけ急に厳しい措置が飛び出す可能性は低いと考えます。

    理由2:そもそも負け越しがまだ確定していない

    13日目を終えた時点で、両横綱は7勝6敗です。残るのは14日目と千秋楽の2番だけですが、どちらか1つ勝てば8勝7敗で勝ち越しが決まります。負け越すには2連敗が条件で、ハードルは決して低くありません。

    大の里は12日目に大関・霧島へ敗れて6勝6敗となり、この時点で「3例目の皆勤負け越し」の可能性が指摘されていました(スポーツ報知)。それでも13日目に白星を戻して星を五分に戻しており、取組内容そのものは持ち直しつつあると見ています。

    理由3:横審の「注意」は長期休場が重なった時に出ている

    横綱審議委員会が初めて「注意」を決議したのは2020年で、対象は長期の休場が続いていた2横綱でした(日本経済新聞)。2018年に稀勢の里へ出された「激励」も、休場が積み重なった局面での判断です(時事ドットコム)。

    横審が重い措置に踏み込んできたのは、「土俵に上がれない状態が続いた時」という共通点があります。今場所の両横綱は皆勤で15日間を戦い抜こうとしている段階です。休場を重ねた過去の事例とは、置かれている状況の性質が違います。ここが、私が「引退勧告には届かない」と読む最大の根拠です。

    ただし、負け越しが現実になれば横審の場で何らかの言及が出る可能性は高いとも考えています。措置として決議されるかは別として、委員から厳しい言葉が向けられる展開は想定しておいた方が自然です。以上はあくまで予想であり、断定ではありません。

    横綱に降格がないのはなぜ?番付の仕組み

    大相撲の番付では、横綱だけが唯一「陥落しない地位」です。大関は2場所連続で負け越すと関脇に落ち、関脇以下も成績に応じて上下します。ところが横綱には、成績が悪くても番付を下げる規定がありません。

    地位負け越した時の扱い
    横綱降格なし(引退するまで横綱のまま)
    大関負け越すと「カド番」。2場所連続で負け越すと関脇へ陥落
    関脇・小結成績に応じて平幕へ下がる
    平幕負け越した数に応じて番付を下げる

    横綱が降格しない理由は、横綱が「最高位」ではなく「称号」に近い扱いだからです。一度その地位に就いた力士は、引退するまで横綱であり続けます。だからこそ横綱には、番付ではなく進退という形で責任が問われるという独特の構造になっています。

    今場所のカド番の例として、大関・琴桜が13日目に獅司を破って8勝目を挙げ、カド番を脱出しています(スポニチ Sponichi Annex)。大関には、このように陥落の条件が明確に決まっています。

    負け越すと何が起きる?横綱審議委員会の3つの措置

    番付が下がらない代わりに用意されているのが、横綱審議委員会(横審)による措置です。横審は横綱の昇進を諮問される機関であると同時に、成績が振るわない横綱への「お目付け役」の役割も担っています。措置は軽い順に3段階です。

    措置重さ意味合い
    激励もっとも軽い奮起を促す。進退を直接問うものではない
    注意2番目に重い成績・出場状況への明確な警告
    引退勧告もっとも重い横綱の座を退くよう促す

    重要なのは、引退勧告にも強制力はないという点です。最終的に引退するかどうかを決めるのは力士本人で、規定として「負け越したら引退」と定められているわけではありません。横審の決議は本人へ判断を促す位置づけにとどまり、進退の決定は力士本人と親方に委ねられます。

    ここを間違えやすい

    「横綱は負け越したら引退しなければならない」という決まりはありません。引退勧告を受けても、慰留されて現役を続けた例が実際にあります。番付上の罰則がない分、世論や横審の空気が進退に影響しやすい地位だと理解しておくと分かりやすくなります。

    過去に横綱が皆勤で負け越したのは2例だけ

    15日制のもとで、横綱が15日間すべて出場したうえで負け越した例は2つしかありません。休場を挟んで負け越しの星になったケースは他にもありますが、「皆勤しての負け越し」に限ると極端に少なくなります。

    力士場所成績
    大乃国1989年秋場所7勝8敗
    3代目若乃花1999年秋場所7勝8敗

    どちらも7勝8敗という、あと1番で勝ち越しに届く星でした(東スポWEB)。今場所の両横綱が7勝6敗で残り2番という状況は、この2例とまったく同じ形に並びかけていることになります。

    逆に言えば、戦後の75年以上でわずか2例という珍しい出来事です。検索が急に伸びているのも、この希少性が理由と考えられます。

    豊昇龍・大の里の現状は?13日目終了時点の星

    2026年7月24日の13日目を終えて、両横綱の星は次の通りです。いずれも7勝6敗で並んでいます

    力士13日目終了時点勝ち越し条件
    横綱・豊昇龍7勝6敗残り2番で1勝
    横綱・大の里7勝6敗残り2番で1勝

    豊昇龍は13日目、関脇・熱海富士に寄り倒しで敗れました。12日目にもカド番の大関・琴桜に上手出し投げで屈しており、ここにきて黒星が続いています。

    一方の大の里は、13日目に前頭十三枚目・尊富士を破って白星を挙げ、負け越しに王手をかけられた状態から一歩下がりました。2場所連続の休場明けという事情を抱えながらの皆勤で、星を五分に戻した形です。

    名古屋場所は14日目が7月25日、千秋楽が7月26日です。両横綱の勝ち越し・負け越しは、この2日間で決まります。本記事の星は13日目終了時点のもので、以降の取組で変動します。

    今場所の優勝争いはどうなっている?

    両横綱が優勝争いから離れる一方で、関脇・安青錦が11勝2敗で単独トップに立っています。13日目に2敗同士の直接対決で大関・霧島を肩透かしで下し、一歩抜け出しました(スポーツ報知)。

    3敗で追うのは霧島・熱海富士・尊富士・獅司の4人です。横綱不在の優勝争いという構図になっており、これも今場所が注目を集めている理由の1つになっています。

    Q&A

    Q1. 横綱が負け越したら大関に降格しますか?

    降格しません。横綱は番付を下げる規定がない唯一の地位で、一度昇進すれば引退するまで横綱のままです。大関は2場所連続で負け越すと関脇に陥落しますが、横綱にはこの仕組みが適用されません。

    Q2. 負け越したら引退しないといけませんか?

    そうした規定はありません。引退するかどうかは本人の判断です。横綱審議委員会から「引退勧告」が出される可能性はありますが、これにも強制力はなく、慰留を受けて現役を続けた例も実際にあります。

    Q3. 豊昇龍と大の里は負け越しが決まったのですか?

    まだ決まっていません。13日目終了時点で両者とも7勝6敗です。残り2番のうち1つ勝てば8勝7敗で勝ち越しが決まります。負け越しになるのは2連敗した場合だけで、現時点では未確定です。

    Q4. 横綱の皆勤負け越しは過去に何回ありますか?

    1949年夏場所以降では2例と報じられています。1989年秋場所の大乃国と、1999年秋場所の3代目若乃花で、どちらも7勝8敗でした。休場を含めた負け越しはこれ以外にもありますが、皆勤に限ると非常に少なくなります。

    Q5. 横綱審議委員会の「注意」はどのくらい重いですか?

    「激励」より重く、「引退勧告」に次ぐ2番目に重い措置です。初めて決議されたのは2020年で、長期休場が続いていた2横綱が対象でした。制度としては新しく、実際に出された回数はごくわずかです。

    Q6. この記事の考察は確定情報ですか?

    いいえ。「【考察】」の見出しがついたセクションは編集部の予想で、断定ではありません。協会や横審の発表ではないため、実際の判断は今後の公式発表を確認してください。星の記録は13日目終了時点のものです。

    今後の見通し

    まず注目すべきは14日目(7月25日)の両横綱の相手です。ここで白星を挙げれば勝ち越しが決まり、負け越しの話題そのものが消えます。逆に落とすと、千秋楽の一番に進退の空気が一気に集まります。

    仮に負け越しが現実になった場合、場所後に開かれる横綱審議委員会の内容が次の焦点です。ここで「激励」「注意」といった措置が議題に上がるのか、委員からどのような言葉が出るのかが、今後の進退を占う材料になります。

    あわせて見ておきたいのが翌場所の番付と出場状況です。横綱は番付が下がらないため、成績の責任は次の場所での内容で示すしかありません。休場が重なるか、皆勤で星を戻せるかで、その後の評価は大きく変わります。

    まとめ

    この記事の要点
    • 横綱は負け越しても番付が下がらない。降格の規定そのものが存在しない
    • 代わりに横審の「激励」「注意」「引退勧告」という3段階の措置がある
    • 引退勧告にも強制力はなく、進退は本人が決める
    • 皆勤での負け越しは大乃国・3代目若乃花の2例のみ
    • 13日目終了時点で豊昇龍・大の里はともに7勝6敗で未確定

    「横綱 負け越し」で検索している方が一番知りたいのは、負け越したあとに何が起きるのかという部分だと思います。答えは「番付は動かないが、進退が問われる」という、他の地位とはまったく違う形でした。

    名古屋場所は14日目と千秋楽を残すのみです。両横綱がここから星を戻すのか、それとも27年ぶり3例目という記録に並ぶのか。結果が出るのは7月26日の千秋楽です。最新の取組結果は日本相撲協会公式サイトで確認できます。

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